おかあさんではありません！【浦.島.坂.田.船】

きらきら ページ28

ライブのリハーサルが続く中、私は1人別室でパソコンと向き合っていた。
これからのスケジュール管理とグッズの再確認をしているのだ。

「えーっと、これは...あぁ、こっちか」

長いこと画面を見続けていたせいか、目がしょぼしょぼしてきた。
これはまた視力が落ちてしまう。

「コーヒーでも飲むか...」

財布だけ持って部屋から出る。
リハーサル室の前を通ると微かに歌声が聞こえてきた。
綺麗に揃った4人のハーモニー。
キラキラした笑顔。

「.....いいな」

思わず口から出た言葉に驚いて慌てて手で塞ぐ。

(一体何を言い出すんだ、私は)

ドアの向こうで私に気付いた坂田さんが手を振っているけど、なぜだか降り返す気になんてなれなくて軽く会釈をしてその場から離れた。
最近、色々と忙しかったりしんどいことが多かったせいだ。
思い出すな思い出すなと何度も頭の中で唱えても、フラッシュバックする記憶は止まらなかった。



(最悪だ)

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