おかあさんではありません！【浦.島.坂.田.船】

注意されました ページ26

「そういえばさー、あれはどうなったん？」

今日は来週末に控えたライブのリハーサルだ。
スタジオへ向かう車中で、ふと志麻さんが思い出したかのように話し始めた。

「あれってなんですか？」
「ほら、あの斉藤とかいうヤツ」
「あぁ、途中で帰っちゃったのでちゃんと謝りのメール入れましたよ。そしたらまたご飯行こうって誘われましたけど」
「...は？」

私の答えに志麻さんの声が低くなった。

「またデート行くん！？」
「うわ！ちょっと坂田さん！今運転中なんですからいきなり肩掴まないでください！」
「そんなことよりデート行くか聞いてんねん！」

そのまま肩を揺さぶられ慌てて路肩に車を止めた。

「危ないじゃないですか！！」
「ええから答えてやー」

何故か泣きそうな坂田さんに見つめられてたじろいでしまった。

「Aちゃん、まだ懲りてなかったん？」
「懲りてないってどういう意味ですか、センラさん」
「あん時俺らが呼び出してなきゃAちゃん、あいつにペロリといかれてたで？」
「.....その表現ちょっとオヤジ臭いです」
「失礼やな」

私だってもういい大人だ。
そういう事の線引きはちゃんとできている。

「ここ最近あそこのスタッフの女の子、何人か辞めただろ」

そういえば斉藤さんが愚痴っていた気がする。

「全部斉藤のせいだぞ？」



(.......どういうことですか？)

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