おかあさんではありません！【浦.島.坂.田.船】

SOS ページ14

「ご、ごめんなさい！」

慌ててスマホをみると、そこにはうらたさんの名前が。
.....出たくない。
けれど、出なければ後で何を言われるか分かったもんじゃない。

「すみません、ちょっと外出てきます」

斉藤さんに申し訳なく思いつつも、スマホを握りお店の外へ出る。

「もしもし」
《あ、Aか？良かった、出てくれて》
「どうしたんですか？」

うらたさんの声は心做しか焦りが滲んでいる。

《ちょっと、大変なことになって...悪いんだけどすぐ来れる？》
「え、今ですか？でも、私...」
《センラが大変なんだよ》
「センラさんが？」

電話の向こうで微かに「大丈夫かセンラ！しっかりしろ！」と坂田さんの声が聞こえる。
かなりの緊急事態と判断するしかない。

「わ、分かりました！すぐ行きます！」

まさかセンラさんが倒れた？
仕事を詰めすぎてしまったのだろうか...。
慌てて店内に戻り、お財布から1万円を出してテーブルにに置いた。

「Aちゃん！？どうしたの？」
「斉藤さんごめんなさい！緊急事態なので帰ります！お金置いておくので...本当にごめんなさい！誘って頂いてありがとうございました！」

早口に告げると、外に出て急いでタクシーを捕まえる。



(どうか、大事に至ってませんように)

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