おかあさんではありません！【浦.島.坂.田.船】

おっと、これは？ ページ13

「お待たせしました！」

待ち合わせの駅に行くと斉藤さんがもう待っていた。

「すみません、遅れてしまって」
「全然大丈夫。じゃ、行こうか」

にこりと笑いかけられ、疲れが吹っ飛ぶ。
この感覚、久しぶりだ...！
なんて余韻に浸っているとあっという間にお店に着いた。

「Aちゃんは何飲む？」
「え？」
「あ、ごめん。名前で呼ばれるの嫌だった？」
「いや、大丈夫です！じゃあ私白ワインで」

「わかった」と言って斉藤さんはお酒と食べるものを適当に注文してくれた。
お店はとてもオシャレで店内もほとんどがカップルだった。
こういう所に来るの、いつぶりだろう...。
浦島坂田船のマネージャーになってから忙しく過ごしていたので、こんなにゆっくりとお酒を飲むこと自体久しぶりだ。

(主に4人のお世話で忙しかったんだけど)

お酒も進み他愛もない話が続いていた。
仕事のこととか嫌な上司の話とか、本当にごく普通の話。
だから突然するっと斉藤さんの手が腰に置かれたことに、ビックリしてしまった。

「えっと、あの...」
「Aちゃん、」

斉藤さんの熱っぽい視線が私を捉える。

「俺、Aちゃんのこと...」

♪〜？

斉藤さんがなにか言おうとした瞬間、仕事用のスマホがけたたましく鳴り始めた。




(しまった！電源切り忘れた！！)

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