絶対なんて、この世にない。-2- (ページ10)

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-10- youside ページ10

大事な仕事があるから電話で起こしてって言われて、頼まれた時間ピッタリにかけたこともあった。
電話の向こうでは眠そうな声とあくびが聞こえてきて、何度も名前呼んで起こしたなぁ。

－－－「ヒョク！ヒョク！連れてきたよ、A！」

－－－『初めまして、Aです^^』

－－－EH「初めまして^^ ドンへといると大変でしょ？いつでも愚痴聞くからね」

紹介したいんだって言ってくれて、初めて会ったメンバー。
それがヒョクだった。
2人はとても仲が良くて、お互いが自然体で、じゃれあってて、見てるこっちも楽しかったなぁ。

－－－『ごめんドンへ…』

－－－「いいから寝てなって。39度もあるんだから」

－－－『ご飯、冷蔵庫に入ってるから食べて…』

－－－「無理すんなって言っただろ？俺のことはいいから自分大事にしてよ…」

私が熱を出した時、真っ先に駆けつけてくれて慣れないだろう看病をしてくれた。
元気が出るよってキムチ鍋作ってくれたけど余りに辛すぎて余計喉を傷めて完全に逆効果だったよね。
元気になるとドンへはホッとした顔で－－－……

『ん…、、あー……寝ちゃってた…うわ、4時…中途半端…』

思い出しているうちにいつの間にか寝てしまって、時計を見ると早朝4時。
窓の外はまだほんのり暗い。二度寝しようかとも思ったけど結構寝たからもう眠くない。
けどいつも起きる時間まで2時間以上はある。
さて、どうしようか。

『久しぶりにジョギングでもしてみようかな』

ウェアに着替え顔を洗い、スッピンのままタオル片手に家を出た。
ゆっくりと明るくなってくる空。
膝を伸ばして背を伸ばし体を温め、まだほとんどの人が寝静まる街の中を駆けていった。
そして走りながら、昨日寝てしまった原因のことを考えていた。

『はぁ…、気持ちいい…』

しばらく走ったあと、ウォーキングも兼ねて家の周りを散歩していた。
時間を確認するとまだいつもの時間には早いけれど、シャワーやお弁当を作ってるといい時間になりそう。
汗をかいた体をサッパリさせるため、タオルで拭きながら家に帰った。
たまにいつもと違うことをすると、すごく清々しい気分になる。
まだヒョクからの質問の答えは出そうにないけど、その日私は１日少しだけ晴れた気分で仕事に取りかかった。