SJ...Sweet story... (ページ10)

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本音の行方 YS ページ10

『ふぅ…』

仕事を終えて、家に帰ってベッドに倒れ込む。
ポケットからスマホを取り出し、画面を見てもメールも着信もない。
今日もイェソナから連絡はない。

『忙しいもんね…』

だから私から連絡もしない。
疲れてる時に連絡なんかして睡眠時間減って仕事に影響出たら大変だもん。
だから、イェソナから連絡来るまで待ってる。
そして、最後に電話してから一週間。

『何してるかなぁ』

声が聞きたいし、デートだってしたい。
でも、人気者の彼だから。
写真でも撮られたらみんなに迷惑かかるから、デートだって全然してない。
最後にデートしたのは、いつかなぁ。

『いっそ、嫌いになれたら楽なのに…』

電話できなくても、デートできなくても、それでも彼が好きで好きでたまらない。
ほんの少し声が聞けるだけで幸せ。
テレビで見かけると元気なんだって安心するし、
楽しそうにしてると私も嬉しくなる。
電話するたび好きだって言ってくれる。それだけで十分なの。

『あー疲れた！お風呂入ろっ』

スマホをテーブルに置いてお風呂の準備。
するとスマホがブーブーと震えだした。
ディスプレイにはイェソナの表示。

『もしもしっ‼』

--良かった、仕事中かなぁと思ってたんだ。もう家？

『うんっ、さっき帰ってきたところで…お仕事もう終わったの？』

--うん、まぁね。帰ってる途中なんだけどAの声が聞きたくなって

『…嬉しい』

久しぶりに声が聞けて、寂しかったことなんてすぐ忘れちゃう。
イスに座って、耳元で聞こえる彼の声をしっかりと聞く。

--ごめん、いつもちょっとしか電話できなくて…

『大丈夫だよ、そういう仕事だって理解してるもん。こうして声が聞けるだけで嬉しいよ』

でも気遣われると、やっぱり"寂しい"って感情が出てきてしまう。
ワガママ言って、困らせるわけにはいかない。
そんなことして、嫌われたくない。