SJ...Sweet story... (ページ20)

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「なんでAが食べるわけ？俺に買ってくれたんじゃないの？」

『だから、たくさんあるんならいらないでしょ』

「じゃあ質問変える。何で俺にチョコくれようとした？今までこんなんくれたことなかったじゃん」

『…そ、れは…気まぐれだよ、ただの』

「気まぐれでわざわざ買ってくれたわけ？バレンタインに？」

『そ…そろそろ、収録始まるんじゃないの、行かなきゃ』

いつになく真剣な声に、動揺を隠せない。
今ここで好きって言ったら…？
何度も何度も渡し方の練習をしたのに実際は最悪。
早く逃げたくて話題を変えようとしても無駄。
ジッと見つめられて冬なのに汗が出てくる。
するとヒョクチェは私が持ってたチョコをひょいっと取り上げ、パクッと口の中に放り込んだ。

「美味い」

『ヒョク、あのね、私…』

「A」

『は、はい』

「これなに？」

『あーっそれはダメ、見ないでっ、あー…』

箱に入ってた手紙を取り出した。
中にはヒョクチェに対する気持ちが書いてある。
書いたくせに読まれたくなくて慌てて取り返そうとするけどその頑張りも虚しく完全に読まれてしまった。

「これ…」

『やだ、違うのっ、えっと』

「ヤバい…マジで嬉しい」

そういうとヒョクは手紙を握りしめたままガバッと抱きついてきた。
そしてすぐに離れて両手で肩を掴んでガクガクと揺さぶってきた。

『ちょっと、なっ、にっ』

「だって俺たち両思いだぞ！俺もAのことずっと好きだったからすっげー嬉しくて」

『……嘘だぁ(笑)』

「何で嘘なんだよ(笑)」

『だって私を好きになる意味がわかんないよ。素敵な人たくさんいるでしょ芸能界には』

「いるよ、たくさん。でも好きなのはA。信じてくれない？」