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『ふふふ』
「………何がおかしい」
『いや？別に』
想像の斜め上を行く発言がおかしくて笑いが止まらない。怪訝そうな顔をする少年に対し、私は当たり障りのない言葉を返した。
殺す………殺す、ね。しかも、“あの”無人をか。随分と大きく出たもんだ。若気の至りって怖いよね………その言葉、後で凄く後悔するのにさ。
多分、この子は他の子たちよりも強いんだろうけど………そんなに簡単にいくほど世の中甘くないよ。
「殺す、か………殺す気で構わない。もし俺かA、どちらかを殺せたら即卒業。希望の部隊に所属させてやる」
「「！」」
『あ、それって私も含まれるんだ』
「嫌か？」
『ううん。逆に、仲間外れにされて退屈だなーって思ってたとこ』
即卒業要件に私も加えるなんて、無人ったらムチャ言うね。まあ、別に構わないけどさ。私か無人を殺せたら、か………確かに、妥当な要件ではあるな。
だだ、私は無人と違って鬼ごっこの捕まえ役じゃないんだけど、その点はどうするんだろ？何か考えがあるのかな。
………まあ、いっか。少しは楽しめそうだ。
『それに、この子たちも気合い十分みたいだし？』
目の前に並ぶ生徒たちの顔を見つつ、腕を伸ばして軽くストレッチをする。空気が変わったのを肌で感じながら、私はゆっくりと口を開いた。
『君たちも目的があってここにいるんだもんね………成し遂げたいなら勝ち続けな』
風が吹き、木々が揺れる。茜色に染まる空には大きな翼を広げて羽ばたく白い鳥。
「これから何回もお前らに壁をぶつける。乗り越えられない奴は散るだけだ」
薄暗い森の中、強い意思を込めた瞳がいくつも煌めいた。
それぞれに過去があり、それぞれに想いがある。
“強くなる”
復讐のために、人の役に立つために、自分の理想を叶えるために。
力がなければ見向きもされない。強くなければ一瞬で命を摘み取られる。ここは、そういう世界だ。
だけど………この子たちなら、きっと成し遂げられるだろう。無人にその実力を認められた、この子たちならば。
『………良い顔つきになったね』
あの鳥のような自由を手に入れられるかは彼ら次第。
「覚悟はできてるみたいだな、少年少女」
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バナナプリン - 桃源暗鬼の小説本当にありがとうございます！！更新してくださっている方結構少ないので助かります (11月29日 21時) (
レス) @page36 id: 2d27e83292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白の騎士 | 作成日時：2023年7月17日 13時
