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近づいてきた貴くんは、濡れた髪の毛を見て、困った顔をする。
ソファー濡れちゃうの怒られそう。
「……貴くん」
「ん」
「おかえりなさい」
「髪乾かさないの？風邪ひくよ？ソファーもAも」
「すみません」
「起きて」
仕方なく体を起こして、ドライヤーのあるところまでふらふら移動。
髪の毛を適当に乾かして、貴くんを振り返ったら、手作りっぽいお菓子を可愛い柄が入った紙袋から出して食べてるとこだった。
「髪の毛乾いた？」
「あい」
「おやすみ」
「それ」
「ん？」
「貴くんそれ手作り？」
「うん、食べる？」
「……いいの？」
貴くんはうん、て頷いて、紙袋ごと私に渡した。
もしかしてどこぞの女からのプレゼントなんじゃないの？って警戒しながら、中身を覗く。
中身を見たら、ちいさいパンみたいなやつがいっぱい。
ひとつつまんだら、ぷしゅっと空気が抜けるくらいふわふわで、口に入れたらもちもち。
チーズの味がした。
おいし！
ポンデケージョかな？
「Aさぁ、ホワイトデーにほしいものある？」
もっちもっち咀嚼しながら紙袋を眺めてたから、返事が遅くなっちゃった。
聞き間違いじゃなければ、貴くん、ホワイトデーって、言った？
「ホワイトデー」
「そう、知ってる？ホワイトデーって」
「たぶん知ってる……私が知ってるホワイトデーはもう終わっちゃったんだけど」
「ふふ、うん、終わっちゃったね？ごめんね、つい忘れてて」
「……え？うん。え？」
「ほしいものある？俺の気分が変わらないうちに言っといた方がいいよ？」
「ほしいもの？」
「そう、手越んち方面にあるたっかいマンションとかぁ、何かの名義？とかはやめてね。持ってないし」
「え、なんだろ、ほしいもの」
「わ！スルーした！すべったみたいになんじゃん」
貴くんがふざけてそう言って、むーって顔する。
今日はご機嫌みたいだ。
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100toi(プロフ) - 覚えていますとも…大好きな祐くんのお話(泣いてる)。。そしてこの続編…!!祐くんの心遣いが優しい〜染みるぅ〜祐子ちゃんには絶対勝てない〜女として何もかも勝てない〜笑 (2018年6月3日 16時) (
レス) id: fd62881687 (このIDを非表示/違反報告)
かのん - いつも楽しく拝読しております。じぇにーさんのヒロインちゃんとシゲくんの距離感が丁寧で優しくてとっても好きです…これからも楽しみにしております！ (2018年4月30日 14時) (レス) id: 02828cf1cc (このIDを非表示/違反報告)
よねい(プロフ) - ほんっとに最高でした…！！！！素晴らしい作品をありがとう(〃ω〃) (2018年4月1日 0時) (レス) id: 0107b3cdb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◯じぇにー◯
| 作成日時：2018年4月1日 0時
