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「ふふ、びっくりしたー?」
女装した祐くんはすっごく楽しそうにそう言って笑う。
「……びっくりは……しましたけども……」
「ねね、可愛いー?」
「可愛い……可愛いけども……」
「もー!Aってば!けど、何ー!」
「ええと……」
世界一可愛い女の子(ただし私の彼氏)を目の前にして、動揺するしかない私。
「……女装のお仕事……?」
「ううん!あ!でもスタイリストさんとメイクさんにやってもらったよ!自分では無理〜!」
「……なんで?」
「だって難しいじゃんメイクって!服もさぁ、好きなテイストは選べるけど、どこでどうやって買うのかわかんないし!」
「いやいや!なんで、ってそういう意味じゃないよ祐くん」
「へ?」
祐くんがにこにこする。
つられて、ヘラってする。
いやいや違う。
待って、ちょっと待って!
「さっ、行こ!Aもこれ!着替えて」
ぽかーんとなったまま、手渡された紙袋を見ると、祐くんが着てるお洋服と同じものが入ってる。
意味がわからない。
行こ、ってどこに!
「ほんとはさぁ、ミニスカートがよかったの!Aにも着せるなら絶対ミニスカートでしょ?女の子のミニって最高だよね?プリーツに紺ハイが俺的ベストなんだけど」
「……なんの話……」
「でも俺ってほら、脚がどうしたって男でしょ〜?太ももふくらはぎがめっちゃゴツイじゃん??」
「……サッカー選手だもんね……」
「そーそーそーそー、でね?女の子らしいやつ他にないかなーって探して、ふんわりした長いやつにしよっかなって思ったの」
「……ほう……」
「んで、ヒールとかで足痛められないから、シンプルなスニーカーとかでも女の子らしくなる可愛いコーディネート考えて〜」
もうダメだ!
祐くんから詳しい事情を聞き出せない!
諦めて、コーディネートのポイントなどを面白おかしくふむふむ聞く。
元から長いまつ毛が、つけまでさらに長くなってる!
綺麗な瞳には、茶色のカラコン。
ぱちぱち瞬きするたびに、お星様がキラキラこぼれ落ちるみたい。
流星群のふる瞬き!
つやつやの薄い唇は、桜色。
……本当に可愛いなぁ……
「さっ、行こ!はやく着替えてってば!」
ぽーっと見とれてたら、そう急かされて、理由も聞けないまま、お着替え。
はやくはやく!と急かす祐くんに連れられて、車に乗る。
今日は目立たない方の大きい外車。
後部座席に隠れるように乗る。
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100toi(プロフ) - 覚えていますとも…大好きな祐くんのお話(泣いてる)。。そしてこの続編…!!祐くんの心遣いが優しい〜染みるぅ〜祐子ちゃんには絶対勝てない〜女として何もかも勝てない〜笑 (2018年6月3日 16時) (レス) id: fd62881687 (このIDを非表示/違反報告)
かのん - いつも楽しく拝読しております。じぇにーさんのヒロインちゃんとシゲくんの距離感が丁寧で優しくてとっても好きです…これからも楽しみにしております! (2018年4月30日 14時) (レス) id: 02828cf1cc (このIDを非表示/違反報告)
よねい(プロフ) - ほんっとに最高でした…!!!!素晴らしい作品をありがとう(〃ω〃) (2018年4月1日 0時) (レス) id: 0107b3cdb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:◯じぇにー◯ | 作成日時:2018年4月1日 0時