ー My lonely girl ー

＿＿＿夢の世界を ページ47

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「なぁ…？こっそり抜け出せへん？」



みんなに気づかれないようにコソっと
イタズラに笑って
私に耳打ちする彼は………







ー重岡の場合ー







重「あーーーっ！！ＵＦＯやぁーーーっ！！」



突然大きな声を出し
薄暗くなってきた空を指差した大毅は
みんなが目を逸らしたすきに
「今やっ！」と言って
私の手をとり走り出した。



大毅のしょーもない嘘に
まんまと騙されてしまった３人が
遠くから私たちを呼んでいるけど
大毅は「ホンマあほや〜っ！」と
まるで、イタズラが成功した子供みたいに
楽しそうに笑いながら３人に手を振っている。







………



…………………







重「まぁ…こんだけ走ったら、アイツらも来ーへんやろっ！」



『もうっ！大毅…走るの速すぎっ。ってか、何、ＵＦＯって！…もっとマシな嘘無かったの？！』



結局、走りに走って
私と大毅は
遊園地の出入り口まで来てしまった。







重「なーんも考えんと走ったから、出入り口まで来てしもた！笑 ……まぁ、ええかっ！…よしっ、帰るで？」



『は、はぁっ？！最後に観覧車乗ったり、一緒にツリー見たりするもんじゃないの？普通っ！』



きっと、ともくんとか望だったら
もっとロマンチックな場所に
辿り着くはずだったんだろうけど……
このノープランで雑な感じが
大毅らしいなって思う。



重「あー、もうっ、ギャーギャーうっさいわー。いいから、早よ行くで！…ほらっ。」



雰囲気も何も関係無しな大毅に私が怒ると
うっさいと言いながらも
少し先で両手を広げて待っている大毅。



重「俺、あんまこういうキャラやないやから、早よせんと１人で帰ってまうでー？？七色しげちゃん変色してまうでー？？」



そうやってイタズラに
でも、少し恥ずかしそうに
「ほれ、ほれ」と
両手を広げて私を待つ大毅は
左頰にエクボを作って
あの日と変わらず、眩しく笑っていた。




『もぉ〜っ、大毅のアホっ！！』



重「でも、そんな七色しげちゃんが大好きなんやろ〜っ？笑」



仕方なく彼の胸に飛び込むと
私を不器用に抱きしめながら
あひゃひゃひゃ、とうるさく笑う彼は
私のコンプレックスだったはずのエクボを
チャームポイントに変えてしまった人。







重「A………大好きやでっ。」



『えっ？』



重「んー？なーんも無いっ。……ほら、早よ俺んち行くで？久保さんが待ってんねんから。」



きっと大毅はこれからも
私に夢の世界を一晩中見せてくれる。






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