ただのケアマネージャーなんで。【桃】 (ページ9)

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決意表明＊side望ページ9

望「おはよー」

6「「おはよー」」

『おはよ』

ううううう可愛い！！
今日も淀みなく可愛い！！！

よし。

まっすぐ、Aを見据える。

望「A」

『ん？なあに』

望「好きやで。」

皆の動きが止まる。

ただ1人を除いて。

誰かが脱いだであろう服を畳んでいるAが、
それを畳み終えてから漸く手を止めてこちらを見上げ

『ありがと。』

微笑む。

その笑顔は、ずるい。

ああ、Aの心まではまだこんなに距離があるんや。

初めて会ったときぶりに、好きって言ったのに。
ドキドキもさせられへんかった。

それやったら、もういっそ
はいはい
って流してくれた方が、よかったのに。

皆が固まるくらい真剣に言ったし、それは無理か。

この対応は、告白され慣れてて、断り慣れてる賜物や。

直感で思った。

それが、ひどく寂しかった。

Aのお人形さんみたいな可愛い笑顔は、可愛いけど

そのぐらいのこと言ってくる人いっぱいいたよって、
望もその中の1人だよって、
気持ちは嬉しいけどごめんねって言われたみたいや。

まだまだ、手に届かないことを実感させられる笑顔なのに

もっともっと、

好きになってまう。

いい、分かってた。
こうなることくらい。

それでも、絶対諦めへんって決めたから。

君が、振り向いてくれるまで。

零れそうになる涙を堪えながら、それでも拳を握りしめ真っすぐAを見る。

望「俺、諦めへんから。」