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「〜〜の部分って、どういうことなの？」
「いいところに気付いたね、Aちゃん！ それはね……」
番組自体は、本当によくあるもの。ごく普通の女子高生、という設定のAさんが無知を装い、彼女のクラスメイトという設定の俺や、先輩・兄・教師などの設定が付いた出演者に質問をして、彼らがそれに答えるというテイで進む教養番組。
彼女はまだしも俺が高校生という設定は無理があるだろとか(共演している役者の彼のように教師という設定にするわけにはいかなかったのだろうか！)、似たような構造の動画は某生首を使えば素人でも作れるからいくらでもYouTubeに転がってるとか、そもそもこの程度の知識なら結構みんな知ってるよね？ とか、いろいろと思うところはなくはないがまあ、俺としては貰うものさえ貰えれば何も言うことはない。
「わあ、さすがふくらくん、わかりやすい！」
願わくば、俺と君の唯一の接点であるこの番組が、打ち切られるようなことにならなければいいのだが。
「……はいカット！ OKです」
撮影は恙無く終了し、Aさんは安心顔だ。緊張から一気に解放されたこの表情は視聴者の立場では見ることができないから、ちょっと役得という気がして嬉しい。彼女はそのまま撮影用のセットから離れるためにくるりとその場でターンする。君の美しい髪が、その動きにつられるようにしてふわっと舞い上がる。俺に背を向けた君の、白くて美しいうなじが目に飛び込んでくる。
いっそ目に毒なくらいに真っ白な彼女のうなじには、黒々とした黒子が一点、ぽつりと打たれていて、それが妙に色っぽいのだ。人々の目を、いや心までも吸い込んでしまいそうな、白と黒のコントラスト――
――彼女とQuizKnockのコラボは、最初の一回だけではなかった。それから半年くらい経った頃に彼女の方から連絡がきて(事務所ではなく、彼女個人のTwitterアカウントからの連絡だった)二度目のコラボを果たした。三度目は、彼女の事務所から、また新人アイドル数人とコラボしてくれと依頼が来た時だ。大方最初のコラボで味を占めたのだろう。あの動画、結構再生数いったし。
その中に、彼女はいなかった(その頃にはもう、彼女は俺たちの助けなんかいらないほど有名になっていたので当然と言えば当然だが)。だから、彼女もコラボするメンバーに入れる、という条件でその依頼を引き受けたのだ。その時点ですっかり彼女に魅了されていた俺が、企画内容的に彼女がいた方が助かるとかなんとか言って伊沢を説得して。
……その動画を撮影する日に、俺は過ちをおかしたのだ。
【3/12】→←※【1/12】三角形は作れない――俺→君【fkr】【kwmr】
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ユメ(プロフ) - うなぎさん» 引き込まれるなんて嬉しいです！最後まで楽しんでいってください！ (9月26日 7時) (
レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
うなぎ(プロフ) - あと3話で終わってしまうなんて…とっても引き込まれてます！そして考えさせられちゃいます。後悔のないよう、ちゃんと感想を伝えようと思いました。結末を楽しみにしてます！ (9月25日 22時) (レス) id: 794a390090 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - うなぎさん» 夢作家をしていて良かったと心から思えるような、嬉しいお言葉の欲張りセットみたいなコメントをありがとうございます！しかも密かに憧れている作者様からのコメントだなんて、もうこの喜びをどう表現していいものか……。本当に感謝です！ (9月9日 18時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
うなぎ(プロフ) - kwmrさんとfkrさんの掛け合いが楽しいし、ymmtさんは可愛いし、sgさんの誠実さに胸がいっぱいです！読みやすいお話たち、すきです♡お話が増えるの、楽しみにしてます！ (9月9日 15時) (レス) id: 794a390090 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - misakiさん» コメントありがとうございます。どれか1話は、どこかの誰かに刺さるように、という思いで色んな話を書いているので、ぶっ刺さっていただけて大変恐縮です……。ご期待に添えるよう今後も精進して参ります！ (8月28日 7時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユメ | 作成日時：2023年5月15日 3時
