45.私は情けない女だ(your side) ページ7
「Aさんって、休日は何をなさってるんですか？」
「え……と、ほとんど寝てますね」
「俺もです。だいたい寝るかパズルするかって感じですね休日は」
「あはは、ふくらさんらしいですね……」
……まただ。また会話を途切れさせてしまった。三々五々に人が集まるカフェの一角にて、私は頭を抱えたい思いに駆られていた。パズル専門店はそれほど大きな店ではなく、あっという間に店内を見終えた私たちはてんでにほしいパズルを購入して早々に切り上げ、現在はこうして向かい合わせに座っているというわけである。
「Aさんはご趣味とかは……」
「…………パズルと作曲と……配信？」
「素敵ですね。俺、Aさんの作り出す曲とか配信の空気とか、すごく好きなんです」
「あ、ありがとうございます……」
……今のは「ふくらさんは？」って聞き返すべきだったか。今からでも聞くか？ ……イヤでも、もうそういう段階は過ぎたっていうか、タイミング逃したな完全に。
ホント話広げるの下手だな私。せっかくふくらさんが気を遣って話を振ってくれてるのに、うまく続けられなくて沈黙という魔物に付け入る隙を与えてしまう。配信だとうまく喋れるのに、この人の前だと何もかもうまくいかなくて。
「……」
ふくらさんに気づかれないよう、机の下で足をさする。歩くのが遅すぎてふくらさんに迷惑をかけた挙句、追いつこうとして軽く足を捻るという失態を演じてしまった。幸い歩けないほどの痛みではないし、ふくらさんにもバレてはいない。彼に気づかれてしまったらきっと、また気を遣わせてしまうだろう。
「……」
この後食事に行くわけだから食べ物を頼むわけにもいかず、場所代代わりに注文したミルクたっぷりのカフェオレで喉を潤す。なぜか彼の前では大人ぶりたくて使わなかったガムシロップが、コップの陰で所在なさげに転がっていた。
「Aさんって、明日のご予定とか……」
「何もないです」
……だーかーらー！
私の馬鹿アホ間抜け不愛想会話カッター！ なにしてんのホント。再放送かな？ 思わず溢れそうになるため息をカフェオレと共に飲み込めば、その苦みで余計に険しい表情になってまたふくらさんを困らせる。
……本当に、自分が情けなくて仕方なかった。
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ユメ(プロフ) - 葵さん» うわー再びのコメント本当にありがとうございます！こちらこそ優しい読者様に出会えて本当に幸せです！続編執筆頑張ります(`･ ω･´)ゞﾋﾞｼｯ!! (2023年4月28日 19時) (
レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - 連載執筆お疲れ様でした。最後まで読ませて頂きました。終始2人のもどかしい関係にｷｭﾝｷｭﾝしっぱなしでした。素敵なお話に出会えて良かったです。続編の構想あるとの事でそれも楽しみにしております、応援してます！ (2023年4月28日 7時) (レス) id: 23323e631d (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - 葵さん» fkrさんファンの方に刺さる作品を書けていることがとても誇らしいです。kwmrさんのいい仕事してるという評価も嬉しいです。2人とも大好きなだけに、私の実力でちゃんとかっこよく描写できているか不安だったので……(笑) (2023年3月25日 9時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - fkrさんに沼っていてお話が本当に続きが気になります。文章も読みやすくて夢主のキャラ設定もよくてkwmrさんがいい仕事してて…とっちらかってますがとにかくこの連載が大好きです。更新を心待ちにしています。 (2023年3月24日 23時) (レス) id: 23323e631d (このIDを非表示/違反報告)
ユメ(プロフ) - はこさん» コメントありがとうございます！そのお言葉でこちらも感情というか、涙腺をぐちゃぐちゃに刺激されてしまいました(笑) 今後も読者様の応援に報いられるような話を投稿していけたらと思います。頑張るぞ！！ (2023年3月23日 21時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユメ | 作成日時：2023年2月28日 19時
