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「 何言ってんの 、? 俺が北人くんを蔑む理由なんてないじゃん 、どうしたの 、北人くんなんか変じゃない 、? 」
「 嘘だよ 、困らせた ? (笑) 」
『 樹 、僕ね 、しいなの事が好きなのかも 、 』
「 恋ってあんまりちゃんとしてこなかったんだけど 、 」なんて照れ臭そうに俯く北人くんの視線はいつもどんな時でも椎名の 、椎名 Aだけのものだった 。それはもちろん北人くんが何も知らずに灰になった後でも 。しいな 、しいな 。北人くんが甘えたような口ぶりでそう呼んでた 、俺の幼なじみの 椎名 Aの事を 。
「 そう … そうだね 、樹がそういうなら … わたし 、酔ってるね 、 」
「 … 否定しろよ 、酔ってなんかない 、私の気持ちも知らないくせに勝手な事ばっかり言わないでって 、樹に私の気持ちなんてわからないよって … だからさ 、 」
小さく震える椎名の身体を抱き締めた 。おずおずと腰に回された手を握り締めて 、指を絡めて 。されるがまま自身の身を委ねる彼女をいいことに好き勝手弄ぶ 。鎖骨のちょっと下まで伸びていた髪の毛はいつしか顎下で切られていて 、いつもと変わらないシャンプーの匂いがほんのり漂っている 。Aは泣いていた 、北人くんを想って 。
「 もう俺のこと拒むなよ 、 」
俺は 、Aの事が好きだった 。
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みお(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (10月12日 17時) (レス) @page16 id: 53a16e4f6e (このIDを非表示/違反報告)
saku8124974(プロフ) - 最高です🥹 (2023年1月7日 22時) (レス) @page7 id: 113282aa35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栞奈 | 作成日時:2017年12月18日 16時