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伸び切っていた髪の毛を顎の下までバッサリと切った 。ロングが好きだと私の髪を幾度となく撫でていた彼を思い出してしまうのが辛かったからだった 。まるで眠っているかのようにも思える綺麗な青ざめた彼の顔 。冷たくなった彼の横たわる棺桶にしがみついて泣きじゃくる 『 いつき 』 と 、一筋の涙も流せないままただ突っ立っているだけの私と知らないシンガーソングライターの歌声が流れ続ける空間に私達二人は永遠に取り残されていた 。







九月一日の始業式の日 、私はまだ生きていた 。鉛のように重い足を引きずりながら 。そして “ 彼 ” に囚われたまま 。保健室でその日初めて声を上げて泣いた 。先生が席を外した後 、少し隙間を残していたドアから顔を出したのはキスはしない約束で何度か身体を重ねた男の子だった 。






「 おまえ 、なんで始業式来なかったの 、 」






涙でぐしゃぐしゃになった顔を彼に 『 いつき 』 に向けてか細く 「 ほくとがしんじゃったの 、 」 と口にした 。ほくと 、ほくと 、ねえほくと 、よしのほくと 。どこに行ったの ? もう二度と会えないの ? もう一緒にアイスも買いに行けないの … ? どうしていなくなっちゃったの 、どうして … ? あなたの灰をかき集めても尚 、まだ “ 吉野 北人 ” として愛してあげるって言ったら「 気持ち悪いね 」って笑ってくれる … ?




 

「 … お前 、何酔ってんの ? 」

「 え … ? 」






「 『 北人に死なれた可哀想なワタシ 』って自分に酔ってんだよ 。気持ち悪い 。自己陶酔もほどほどにしろよ 、見苦しいから 。そんな事で始業式サボんな 、これからは授業もちゃんと受けろよ 」





 

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みお(プロフ) - 面白いです!更新楽しみにしてます! (10月12日 17時) (レス) @page16 id: 53a16e4f6e (このIDを非表示/違反報告)
saku8124974(プロフ) - 最高です🥹 (2023年1月7日 22時) (レス) @page7 id: 113282aa35 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:栞奈 | 作成日時:2017年12月18日 16時

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