B組 - 158 ページ8
案内されたのはシャンデリアが吊るされただだっ広い部屋。落ち着きなくそわそわしながらソファに座らされる。
百ちゃんは私の向かいの椅子に腰掛けて、すぐに私をじっと見つめた。
「あの、単刀直入に聞きますけど……何かありましたの？」
「え……？」
少し迷ったように視線を落とす。しかし、もう一度顔を上げた時には、まるで何かを決意したようだった。
「先日、今回の件について 個性を試すためだと言いましたよね？」
「ですが私にはどうしても理解できなくて……不自然すぎますわ。事件があったというのに、寧ろそれが良しというように退院後すぐに席交換が行われましたし」
「……ただ巻き込まれただけではないのでなくて？」
流石 中間試験クラスNo.1というべきか。
勘が鋭い。
咄嗟に吐いた嘘に無理があったのもそうだが、大体はそんなに気にしていなかったはず。
確かに『今回の事件と席交換が全く関係ない』のなら、もう少し間があってもおかしくないはずだ。
私は諦めて、肩を竦めた。
「……うん」
百ちゃんのその真剣な表情に危惧の色が差す。
「本当、百ちゃんには敵わないね。内緒だよ、みんなには」
「っ……はい」少し下唇を噛んで頷く。
「あのね、街を壊したのは私なんだ」
ごくりと、息を呑む音が鮮明に聞こえた。私は少し視線をテーブルに落とす。
「私の個性さ、唾液じゃなくても、体液ならなんでも個性の活性化・死滅化ができるの」
「だから私は見た目に出るような怪我はしないし、言っちゃえば、私は自分を殺すことだってできる」
「でも、私の体調がおかしくなるくらいに……ほら、あるでしょ？泣きすぎると頭がおかしくなったりするの」
「あれとおんなじで、私が私を失えば、個性も私のものじゃなくなる」
「……それで、暴走しちゃったんだ」
百ちゃんは私が雄英でできた、初めての友達だから……ちゃんと伝えておくべきだと思った。
少しの沈黙の後、流石に何も言えないよね、とわたしは「ごめんね、変な話しちゃって」と立ち上がる。しかし、百ちゃんがそれに重なるように口を開いた。
「それと今回の席交換の件、どういう関係がありますの？」
「……その、個性の暴走をB組の子に見られちゃったから、気まずくて」
わざわざ言いふらすことじゃないと、私は 物間くんの名前を飲み込んだ。
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勝天Runa - とても面白いです！更新頑張ってくださいね！！応援してます！！勝己サイコーー！！ (2021年4月10日 9時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 185話で夢主が響香ちゃんと話してるところのたくさんがた区さんになっていましたよ！ (2017年11月9日 16時) (レス) id: 36c513e4d9 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - さっこさん» 物間くんきっと礼儀はあるはずですから！！！わぁ！！嬉しいです！ありがとうございます〜！ (2017年9月8日 18時) (レス) id: b66bb8ed30 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - ご馳走さまに心打たれましたシリーズ最初から影ながらずっと応援させてもらってます(>_<) (2017年9月8日 18時) (レス) id: 7b42043074 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - 初音さん» ありがとうございます！^^ (2017年9月7日 21時) (レス) id: b66bb8ed30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誰かの裏垢 x他1人 | 作成日時：2017年8月29日 17時
