B組 - 196 ページ46
暫くの沈黙。怪訝そうに私を見つめる物間くんと、俯く私。
「ーー……なん、」
「ごめん」
まず飛び出たのはそれだった。なんで謝ったのか自分でも分からなくて、咄嗟に考えた理由を後付けすることにした。
頭を下げると、耳にかけている方とは反対の髪がさらりと揺れる。
「ごめんなさい。私、ひどいこと言った」
今の私はきっとひどい顔をしているはずだ。
私が全部悪いとか、そんな思い込みはしていないけど、彼に醜いものを見せてしまったのは事実。私の邪心の塊を。
「勉強まともに教えてあげられなくてごめん」
顔を上げると目が合うものの、彼はなにも言わない。きっと最後までなにも言わないのだろう。
私は「じゃあ、それだけ。おやすみ」と言って先に合宿所の中に入っていった。
「……なんだよ」
.
三日目からも個性を伸ばす訓練。これが暫く続くのかと思うと今から先が思いやられる。
今は、背中に 幼児が丸まったほどの大きさの岩を乗せての腕立て伏せをしているところだ。
「ーーそれより皆！今日の晩はねぇ……クラス対抗肝試しを実行するよ！しっかり訓練した後はしっかり楽しいことがある！ザ！アメとムチ！」
ピクシーボブさんの声を顔を上げる。
肝試しか……学校っぽいな……なんて上の空になっていたおかげで岩に潰されそうになったんだけど。
「ぶっ……」
「今は全力で励むのだぁ!!! 」
「いえ、っさ……」
背骨折れる……
「次……ご飯、だってさぁ……」
「う、ん……ありがと」
ぜぇぜぇと息を切らしてぷるぷると震えているお茶子ちゃんの手を掴み、何とかして起き上がる。
相変わらずというようにガクガク震える足に鞭打ちお茶子ちゃんの背中を追いかけるように歩くも、先程の腕立てのおかげで全身の力が抜ける。
「……っわ…………」
鞭打っていたつもりだが、私の身体は限界だったらしい。じんわりと視界と歪み、フラリと身体が傾く。
だが次の瞬間、私の腕には地面の固く冷たい感触ではなく暖かい感触があった。
一度力が抜けたらすぐに身体が重くなっていく。
「ごめ……」
「君は少し休んでいたほうがいい。失礼するぞ」
重たい頭を上げると、天哉くんがいた。天哉くんはいつかのように私を抱き上げた。
.
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勝天Runa - とても面白いです！更新頑張ってくださいね！！応援してます！！勝己サイコーー！！ (2021年4月10日 9時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 185話で夢主が響香ちゃんと話してるところのたくさんがた区さんになっていましたよ！ (2017年11月9日 16時) (レス) id: 36c513e4d9 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - さっこさん» 物間くんきっと礼儀はあるはずですから！！！わぁ！！嬉しいです！ありがとうございます〜！ (2017年9月8日 18時) (レス) id: b66bb8ed30 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - ご馳走さまに心打たれましたシリーズ最初から影ながらずっと応援させてもらってます(>_<) (2017年9月8日 18時) (レス) id: 7b42043074 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - 初音さん» ありがとうございます！^^ (2017年9月7日 21時) (レス) id: b66bb8ed30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誰かの裏垢 x他1人 | 作成日時：2017年8月29日 17時
