B組 - 195 ページ45
PM 4:00
「さァ昨日言ったね、『世話焼くのは今日だけ』って!! 」
「己の食う飯くらい己で作れ!! カレー!! 」
「「イエッサ……」」
練習が終わってぐったりしている中、その猫の手をブンブンと振りながら言うプッシーキャッツの二人の前には大量の食材。
……そういえばそんなこと言ってたなぁ。
未だにガクガク震える足に鞭打って食材を手にしてまな板の上に置く。ご飯は他のみんながやってくれているし、私はこっちをやろう。
「手伝おうか？」
頭上から降ってきた声に顔を上げると、上鳴くんがいた。にこりと微笑んで「いいの？」と言う。
「じゃあ、にんじんもじゃがいも洗ってくれる？それからじゃがいもの皮を剥いてくれると嬉しいな」
「了解！ ( このシチュエーションめっちゃよくね？？ ) 」
包丁を持ち、自分で洗ってにんじんのヘタの部分だけを切ってから回転させながら素早く乱切りしていく。
献立に困った時はよくカレーを作っていたから手馴れたものだ。
その素早さに数人が目を奪われていたようだが、それには気づかずに洗われたにんじんをどんどん切る。
「……はっえぇ」
「ん？そうかな、ありがとう。料理は慣れてるの」
上鳴くんの感嘆の声にクスリと笑って返す。それからジャガイモも切って、今度は玉ねぎ。
玉ねぎは嫌いだ。目にしみるから。
目尻に涙をいっぱい溜めながら包丁を入れていると、もうやることがなくなった上鳴くんが私の顔を覗き込んでくる。
「代わるか？」
「ありがと……」詰まった声で答える。「でも、大丈夫！」
涙を引っ込めようと鼻をすすり、気合を入れてスピードを上げる。それを見て上鳴くんが真顔で「 ( 守りたい ) 」と思ったらしい。
それから具材とルーを煮込んで、ご飯と合わせる。
完成だ。
「「「いただきます！」」」
みんなで作ったカレーは、それはもう美味しかった。みんなしてがっつく。
食べ終わってから「お腹いっぱ〜い」と喋りながら合宿所の中に入ろうとした時、不意にB組の後ろ姿が目に入った。
その中に
「待って」
私に止められた彼は、振り返り、その顔に怪訝の色を作る。
「物間？……先行ってるからな」
「……あぁ」
立ち止まった彼ーー物間くんを不思議に思った円場くんは、私を見つけてなんとなく察して足早に合宿所の中へと入っていった。
……二人きりだ。
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勝天Runa - とても面白いです！更新頑張ってくださいね！！応援してます！！勝己サイコーー！！ (2021年4月10日 9時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 185話で夢主が響香ちゃんと話してるところのたくさんがた区さんになっていましたよ！ (2017年11月9日 16時) (レス) id: 36c513e4d9 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - さっこさん» 物間くんきっと礼儀はあるはずですから！！！わぁ！！嬉しいです！ありがとうございます〜！ (2017年9月8日 18時) (レス) id: b66bb8ed30 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - ご馳走さまに心打たれましたシリーズ最初から影ながらずっと応援させてもらってます(>_<) (2017年9月8日 18時) (レス) id: 7b42043074 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - 初音さん» ありがとうございます！^^ (2017年9月7日 21時) (レス) id: b66bb8ed30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誰かの裏垢 x他1人 | 作成日時：2017年8月29日 17時
