B組 - 180 ページ30
「どう思っているか、ですか……？」
「うん、そう。許嫁として……それでもいいのかなって思って」
お兄さんの目は真剣だった。
どう思ってる……言わずもがな 恋愛目線で、ということだろう。
「そう、ですね……」と言葉を詰まらせながら顎に手を当てて天井に答えを求める。
……焦凍のことが、好きか……そりゃ友達としては好きだし、いい人だとは思うけど、恋愛目線としてはどうだろうか。
…………そもそも恋なんてしたことないから何も言えない。
天井が出した答えはそれだった。
「……分かりません」
そう言うと、お兄さんはどんな返事が来るか身構えていたのか、なんだと言うように少し空気を吐いた。
「少なくとも、今は」と付け足すとまた黙ってしまったのだが。
「ですけど……私は 焦凍くんとなら結婚してもいいと思っています」
「！……それは、どうして？」
「先程も申し上げたように……彼の魅力は十二分理解しているつもりですし、何より彼は私を救けてくれました」手を絡めながら俯き気味に続ける。「焦凍くんになら、この先の人生任せてもいいと思ってますから」
恋とかそういうんじゃなくて、結婚できるかできないかって言ったら、私は大きく頷けるってだけ。要はこれからの人生預けられるかって話だ。
焦凍じゃなくても、たとえば鉄哲くんとか天哉くんにだって、多分人生預けられる。極端な話、一佳ちゃんでも全然預けられる。
お兄さんは私の言葉を聞いて、アハハと笑い出した。何か恥ずかしいことを言ってしまっただろうかと自分の言葉を思い出す。
言ってない……はず。
「愛されてるなぁ、焦凍」
「あー、俺もこんな可愛い子に結婚してもいいとか言われたかった」
……私、恥ずかしいこと言ったか。
冷静に考えて、同級生の男の子に " 結婚してもいい " は恥ずかしいのか！
勉強勉強で少女漫画とかは全く読んだことはなかった。恋愛なんてする暇なかったし、誰々ちゃんと誰々くんが付き合ってるらしいとかいう話を聞いても「そうなんだ〜」くらいで
私も恋愛したいな〜と思ったことはなかった。
キスもなんか全部治療って感じになってるんだけど。
だからこそたまにドキドキしてしまうこともある。
思春期がやっと来たって感じかな。多分 ( 解説 ) 。
「あはは……」
とりあえずその場は苦笑で乗り越えたのだが、
一部始終を話題の的に聞かれていたのなんてこの時は思いもしなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 660人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
勝天Runa - とても面白いです！更新頑張ってくださいね！！応援してます！！勝己サイコーー！！ (2021年4月10日 9時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 185話で夢主が響香ちゃんと話してるところのたくさんがた区さんになっていましたよ！ (2017年11月9日 16時) (レス) id: 36c513e4d9 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - さっこさん» 物間くんきっと礼儀はあるはずですから！！！わぁ！！嬉しいです！ありがとうございます〜！ (2017年9月8日 18時) (レス) id: b66bb8ed30 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - ご馳走さまに心打たれましたシリーズ最初から影ながらずっと応援させてもらってます(>_<) (2017年9月8日 18時) (レス) id: 7b42043074 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - 初音さん» ありがとうございます！^^ (2017年9月7日 21時) (レス) id: b66bb8ed30 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：誰かの裏垢 x他1人 | 作成日時：2017年8月29日 17時
