B組 - 172 ページ22
「あぁ、騒ぐなよ」
死柄木は私の唇に指一本を触れさせて、クスリと笑った。
「俺のこの五指が触れれば、お前の個性は使いもんにならなくなる」
「……ッ！…………何が目的？」
「そんなの決まってるじゃないか……お前をーー……あぁ、少し待て」
彼は私の肩を抱いたまま、歩き始めた。私が彼の顔を凝視している間に何かを見つけたようで、「おーー雄英の人だスゲー！サインくれよ」と声をあげて歩き始めた。
雄英の人？
怪しまれない程度に視線を移せば、そこには見慣れた縮れ毛があって。
死柄木は肩から手を離して、今度は手首を掴み、引きずるようにしてその縮れ毛、出久くんに近寄る。
「確か体育祭でボロボロんなってた奴だよな?! 」
そう言って出久くんと肩を組む。
死柄木の意識が私から逸れてる……何かできること……いや、ここで下手に動いたら周りの人に危害が及ぶ。
ぐっと下唇を噛んだ瞬間、突然引き寄せられ、また肩に手を当てられる。
「ーーいや、本当信じらんないぜ。こんなとこでまた会うとは！」
「ここまでくると何かあるんじゃないかって思うよ」
「運命……因縁めいたもんが……」
出久くんの視線が私を捉え、その恐怖を感じているような顔に、何か違う色が足されたようにみえた。
「まぁでもお前にとっては雄英襲撃以来になるか」
「お茶でもしようか、緑谷出久」
「な、んで、Aさんを……！」
出久くんの第一声はそれだった。
身構えて言う彼とは対照的に、死柄木は楽しそうに言う。
「決まってるだろ。持ち帰るためだ」
「なッ……!! 」
「決して騒ぐなよ？自然に……旧友のように振る舞うべきだ。落ち着いて、呼吸を整えろよ」
「俺はお前と話がしたいんだ、それだけさ少しでもおかしな挙動を見せてみろよ？」
「簡単だ。俺の五指が全てこの首に触れた瞬間、喉の皮膚から崩れ始め……一分と経たないうちにお前は塵と化すぞ」
多分、私の場合は塵になることはない。細胞が活性化してくれるから。
ただ、皮膚が崩れるのは免れない。それと私の個性の活性化の追っかけ合いで、私はただただ皮膚が崩れる痛みに永遠と耐えなければいけない。
一瞬で終わるよりも苦痛だ。
「こっこんな人ゴミで……!! やったら……すぐヒーローが……ヒーローが来て捕まるぞ……!! 」
「だろうな。でも見てみろよこいつらを」
死柄木は顎で他の客を指した。
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勝天Runa - とても面白いです！更新頑張ってくださいね！！応援してます！！勝己サイコーー！！ (2021年4月10日 9時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 185話で夢主が響香ちゃんと話してるところのたくさんがた区さんになっていましたよ！ (2017年11月9日 16時) (レス) id: 36c513e4d9 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - さっこさん» 物間くんきっと礼儀はあるはずですから！！！わぁ！！嬉しいです！ありがとうございます〜！ (2017年9月8日 18時) (レス) id: b66bb8ed30 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - ご馳走さまに心打たれましたシリーズ最初から影ながらずっと応援させてもらってます(>_<) (2017年9月8日 18時) (レス) id: 7b42043074 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - 初音さん» ありがとうございます！^^ (2017年9月7日 21時) (レス) id: b66bb8ed30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誰かの裏垢 x他1人 | 作成日時：2017年8月29日 17時
