B組 - 162 ページ12
『レディィィーーー……ゴォ！！！』
その合図と共に障子くんは走り出す。そして、彼の腕の隙間から見える光景の前に、ピュン!! と弾丸が走り抜ける。
謂わば、かくれんぼのようなものだ。
私達は どこから攻撃が仕掛けられるか予知するためにスナイプ先生の位置を肉眼で確認しようとし、スナイプ先生は柱を利用して逃げる私達を探す。
ーー否、かくれんぼというよりは、鬼ごっこに近いかもしれない。
良好とはいえない視野の中で、できるだけ早く頭と目を回す。瞬時 暗闇の中で光ったそれを見つけ、私は声を上げる。
「障子くん!! 避けて!! 」
「ッ!! 」
「……流石、避けるか」
……よかった。先生が放った弾丸が黒光りしてなきゃ分からなかった。
だが、気配は察知した。声がする方向へと銃を向けようと太ももあたりに手をかけて、気づく。
「……っ、しまった」
銃をボックスの中に置いてきてしまった。ロボ相手に細胞の死滅化は効かないと思っていたから、ただの邪魔になるだろうと思い外していたのだ。
どうする……遠距離攻撃を得意とする先生相手に素手じゃ不利だ。近づくことだって容易ではないはず。
どうしたらいい？どうしたら私は役に立てる？どうしたら援護できる？どうしたらーー内なる声に静かに耳を傾ける。
ただでさえ、私は障子くんにとっちゃただの重り。どちらか一人が逃げられればいいのだ。何もしないままここにいるのなら、いっそのこと囮になったほうがいい。
……囮になる？ーーそうだ。
「勝手でごめん、障子くん。作戦変更。逃げて」
「……分かった」
私は障子くんの腕から飛び出して、先生の気配がする方へと翼を羽ばたかせた。
「 ( 何だ……囮か。だが、私相手にこの作戦変更はーー ) 」
ピュン、と私のすぐ横をすり抜ける弾丸。先生は私がそれを避けたことに僅かに目を見開く。彼は私の個性について知っていたから、容赦なく前面から攻撃を仕掛けた。
しかし、その余裕の攻撃が仇となるのだ。
「見つけた……!! 」
「……！ ( ーー……いや、やるな ) 」
目の細胞ーー
耳からは翼が生え、それはフクロウのもので、人間じゃ到底聞き取れないような小さな音も聞き取る。
つまり、今の私も前じゃ暗闇なんて敵じゃない。
「障子くんのところには行かせませんよ!! 」
私は、せめて時間稼ぎを……ーー！
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勝天Runa - とても面白いです！更新頑張ってくださいね！！応援してます！！勝己サイコーー！！ (2021年4月10日 9時) (
レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 185話で夢主が響香ちゃんと話してるところのたくさんがた区さんになっていましたよ！ (2017年11月9日 16時) (レス) id: 36c513e4d9 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - さっこさん» 物間くんきっと礼儀はあるはずですから！！！わぁ！！嬉しいです！ありがとうございます〜！ (2017年9月8日 18時) (レス) id: b66bb8ed30 (このIDを非表示/違反報告)
さっこ(プロフ) - ご馳走さまに心打たれましたシリーズ最初から影ながらずっと応援させてもらってます(>_<) (2017年9月8日 18時) (レス) id: 7b42043074 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - 初音さん» ありがとうございます！^^ (2017年9月7日 21時) (レス) id: b66bb8ed30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誰かの裏垢 x他1人 | 作成日時：2017年8月29日 17時
