B組 - 101 ページ1
「……天哉くん、少し触れていいかな？」
「身体の中を見せてもらいたいの」
私の個性は 活性化・死滅化だけじゃない。
対象人物と通信することで相手の身体の細胞を覗き見ることができる。
しかし、病状などが不明な時にしか使う機会がないのでほとんど使ったことはない。
「……構わない」
天哉くんの耳の後ろに手を回し、もう片方の手で彼の前髪をあげて額同士をくっつける。
私の脳内に、天哉くんの脳の細胞の様子が映し出される。探るように脳内の視線を下ろして脳から首を通って鎖骨、肩、腕と見ていく。
そして、鎖骨あたりから腕にかけて腕神経叢がある。通常の腕神経叢は お母さんが昔見せてくれたデータの浅い記憶しかないが、天哉くんの体内に張り巡らされているそれが正常ではないことは確認できる。
傷ついていたり、細いものはぷつりと千切れていたり。脊髄細胞も死滅しているものがある。
……でも、私の個性なら、ここまで治せるかもしれない。
「……ありがとう」
額を離し、目を開く。
まだ脳内に彼の細胞の様子が焼きついてる……
「天哉くん、私ならーー」
私の言葉を遮ったのは、出久くんが部屋に入ってきた音だった。私達を見て、何となく察そうとしているもののできていない、という感じ。
天哉くんが私達にしたのと同じ説明を出久くんにもする。
「天哉くん……私なら、私なら治せるかもしれない」
「……ありがとう、でも」
天哉くんは私の言葉に対して首を振って、俯いた。
「ヒーロー殺しを見つけた時何も考えられなくなった。マニュアルさんにまず伝えるべきだった。なのに怒りで我を忘れてしまった……」
「奴は憎いが奴の言葉は事実だった。だから俺が本物のヒーローになれるまでこの左手は残そうと思う」
「飯田……」
……そっか。
天哉くんは、もうちゃんと決めてるんだ。
まったく、かっこいいなぁ……
「飯田くん、僕も同じだ。一緒に、強くなろうね」
出久くんは後遺症残った手を見せた。
……男の友情、いいねぇ。
なんておばさんくさいことを考えて、クスクスと笑う。
「……それでこそ " インゲニウム " だよ」
ーー『そんなのインゲニウムじゃない』
そういや私、どさくさに紛れて天哉くんにひどいこと言っちゃったもんな。
にっこりと笑うと、天哉くんは「ありがとう」とはにかんだ。
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怪盗黒猫 - 絵が！絵が！上手ですね！凄いです！ (2018年8月5日 18時) (
レス) id: 4410eb4403 (このIDを非表示/違反報告)
りっちゃんナウ(プロフ) - いつも読んでいます！ あんだけこじらせといて物間落ちがいいです笑 これからも更新頑張ってくださぃぃぃい (2018年4月25日 23時) (レス) id: e9d2eacd49 (このIDを非表示/違反報告)
プリン★スポ隊副隊長兼信者兼かぁびぃ(駄作者)愛し隊 - 哺乳類校長先生の命の恩人wwwいいっスね。あなたが書けばとてもいい作品になりそう！ (2018年2月10日 0時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
さくっと - すごく素敵な作品で、此れからの展開にドキドキです！！少し気になったことがありまして… 138話の大丈夫？？！てか＿＿＿のとろこで（名前） B組くんの？！と書いてあるですがA組だと思うのですが…私の理解不足だったらごめんなさい。これからも楽しみに待ってます！ (2017年12月30日 17時) (レス) id: aea0832c94 (このIDを非表示/違反報告)
誰かの裏垢(プロフ) - 桜さん» すごく嬉しいです……！ありがとうございます……!!! (2017年9月27日 21時) (レス) id: b66bb8ed30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：誰かの裏垢 x他1人 | 作成日時：2017年8月22日 17時
