放送開始 ページ29
ＰＲＯＤＵＣＥ１０１の放送が開始された。
街中が豆ちゃんを応援しているだけあって
放送開始時間になると
街から人が消えたように
誰一人歩いていなかった。
(ただいつもあまり人は歩いていない。)
私は一人で豆ちゃんの姿を見ることが出来なくて
だからといって家族と見るのは何かこっぱずかしくて
ゆきを誘って二人で見ることにした。
ゆきの部屋でベッドに寝転んで
放送開始を待つ。
ゆきも何故かドキドキしているようだった。
「そりゃAは彼氏が出るから
色々ドキドキするかも知れないけど、
ゆきだってこんな近くにいる友だちが
こんな有名な番組に出るなんて初めてだから
ドキドキするに決まってるじゃん！」
確かにそうだった。
私も蓮くんがテレビに出てたら
ドキドキして
テレビにかじりつくように見るだろう。
そうこうしているうちに番組が始まった。
チラチラ豆ちゃんが出るたびに
私はちょっと照れくさくなった。
何故か息子を見ているような気分になって
拳をギュッと握りしめて
溢れる感情を抑えるのに必死だった。
豆ちゃんのクラス分け評価の時間になると
正座をしてテレビを見つめた。
緊張で手に汗を握った。
いつもの帰り道がテレビにうつって
ゆきが
「ここ高校から駅までの道じゃん！
あの家わかるー！」
と一層興奮し始めたが、
私は再び拳を握りしめて
細目で画面を見ていた。
そして、
音楽が流れ始めた。
豆ちゃんが踊り始めると
会場がどよめいた。
「うおー！すごいね。」
ゆきの心の声が漏れた。
すごいに決まってるじゃん。
だってあんなに練習も頑張ってた。
毎日毎日暑い中自転車で
ダンススタジオまで通って、
家帰っても踊って。
歌だって上手いのも知ってる。
田舎の田んぼ道でよく鼻唄歌ってて
よく聞いてた。
私だけが知ってる豆ちゃん。
でももう私だけじゃない。
豆ちゃんが微笑む横顔が
今はテレビの画面の中にある。
会場は大盛り上がりだった。
トレーナーの先生たちも満足そうに豆ちゃんを見ていた。
豆ちゃんはＡクラスに選ばれた。
ゆきはテレビに向かって必死に拍手をした。
私も小さく拍手をして、
楽しそうな目で見るゆきが羨ましくなった。
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ののん(プロフ) - saorisaori630さん» 友だち申請、コメントありがとうございます！長い小説なのに時間割いて頂いてありがとうございます（TT)ファイナルもぜひ最後まで読んで下さいね！ (2020年2月27日 0時) (
レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
saorisaori630(プロフ) - はじめして！すごく素敵な小説でつい一気読みしちゃいました！笑ファイナルも是非読まさせて頂きたいです！友達申請しました(^^) (2020年2月26日 8時) (レス) id: 4b2dde0f96 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - ちぇりさん» コメントありがとうございます(^^)面白いと言っていただけると安心ですし、やる気が出ます！！ファイナル編もよろしくお願いいたします☆ (2020年2月24日 19時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
ちぇり(プロフ) - はじめまして！この作品を見つけて、おもしろすぎて一気に読んでしまいました！(^^)ファイナル編も楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2020年2月21日 8時) (レス) id: 9cc5cf3336 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - コメント、友だち申請ありがとうございます！がんばります(^^) (2020年2月16日 21時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2020年1月19日 0時
