図書室にて ページ3
放課後の図書室。
ガラッと扉を開けると、
既に数人の生徒がいた。
如何にも本が好きそうな子たちがパラパラ座っていた。
しかし、図書室の奥を見ると、
如何にも本を読まなそうな子が
机に突っ伏して座っていた。
豆ちゃんだった。
私はそっと豆ちゃんに駆け寄った。
「豆ちゃんが図書委員なんて珍しいね。」
「わ、びっくりしたー。」
私に声を掛けられて、豆ちゃんが飛び起きた。
「あ、わかった！
ジャンケン負けたんでしょ？」
「いや、それは前原さんでしょ？」
豆ちゃんは学校では『前原さん』ルールを
忠実に守っていた。
「なんで分かったの？」
「だって致命的にジャンケン弱いじゃん。」
「そうなのー。大事な昼休みなのにー」
私は机にうなだれた。
すると、
豆ちゃんは誰にも聞こえないように小声で
「俺は藤原さんからAが図書委員になったって聞いて手挙げただけなんだけどね。」
と言って、イタズラっ子みたいに笑った。
豆ちゃんの突然の急襲に
顔が赤くならないように必死にパタパタと手で顔を扇いだ。
私と豆ちゃんは水曜日の図書室当番になった。
『図書委員なんてクソ喰らえだ！』と
思ってたけど、豆ちゃんとだったら話は別だ。
図書室当番バンザーイ！
ー1週間後。
待ちに待った水曜日のお昼休み。
私は急いでお弁当を口にかきこんで
図書室へ向かう準備をする。
「あれ？どこ行くの？」
莉子がいちごをかじりながら聞いた。
「Aはアレだよ。図書委員。」
私の代わりにゆきが答える。
「ああー。大変だねー。毎週なんだ。」
「そうなの。
せっかくの昼休みなのにさ。」
「嘘つけ！
昼休みデートするだけだろ！」
「ゆき、黙ろうか。」
お弁当のサンドイッチをゆきの口に詰め込んで、軽いスキップで図書室へ向かった。
図書室の扉を開けると、まだ誰もいない。
春の暖かい光が
本のほこりに反射してキラキラしていた。
私はカウンターの椅子に腰掛けた。
カウンターの椅子は日差しでぽかぽかする。
頬杖をついてウトウトしていると、ガラッと勢いよく扉が開く。
豆ちゃんだ。
「ごめん！遅れた。…って誰もいないんかい。」
「昼休みに図書室ってあんまり来ないよね。」
「じゃあ、お昼寝タイムだなー」
豆ちゃんはそう言って、私の横にドカッと腰掛けてカウンターに突っ伏した。
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ののん(プロフ) - saorisaori630さん» 友だち申請、コメントありがとうございます！長い小説なのに時間割いて頂いてありがとうございます（TT)ファイナルもぜひ最後まで読んで下さいね！ (2020年2月27日 0時) (
レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
saorisaori630(プロフ) - はじめして！すごく素敵な小説でつい一気読みしちゃいました！笑ファイナルも是非読まさせて頂きたいです！友達申請しました(^^) (2020年2月26日 8時) (レス) id: 4b2dde0f96 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - ちぇりさん» コメントありがとうございます(^^)面白いと言っていただけると安心ですし、やる気が出ます！！ファイナル編もよろしくお願いいたします☆ (2020年2月24日 19時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
ちぇり(プロフ) - はじめまして！この作品を見つけて、おもしろすぎて一気に読んでしまいました！(^^)ファイナル編も楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2020年2月21日 8時) (レス) id: 9cc5cf3336 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - コメント、友だち申請ありがとうございます！がんばります(^^) (2020年2月16日 21時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2020年1月19日 0時
