忙しない日々と３ ページ15
夏休み前のある日。
部活を終えて、お風呂に入って
アイスを食べながら縁側でぼーっとしていると
急にピロロン♪と携帯が鳴った。
豆ちゃんからの着信だった。
「もしもし。」
『もしもし。』
豆ちゃんの声だ。
「どうしたの？」
シャクっとラムネ味のアイスをかじって尋ねた。
『帰ってきたよ！』
「それ３日前も聞いたよ。」
豆ちゃんは東京に行くと言ったあの日以降、
急に元気になって相当東京が楽しみだったのか、
『明日９時の新幹線』とか
『今、東京行きの新幹線乗ったよ』とか
『今新神戸』とか
『今新大阪』とか
『今京都』とか(以下略)
事細かにメッセージを送ってくれた。
帰るときも
『ちゃんと東京ばなな買えたよ』
と教えてくれた。
「楽しかったんだね。」
『うん！
今なにしてんの？』
「縁側でアイス食べてたよ。」
私はアイスを食べ終えて
アイスの棒をゴミ箱へ投げた。
『今から会えない？』
「今？」
『ダメ？』
豆ちゃんが耳をたれさげて
しゅんとしている顔が目に浮かぶ。
今パジャマだけど。
「大丈夫だけど、
今ダンスの帰りなの？」
『そう。というかAの家の裏にいる』
「え！？」
私は驚いてサンダルから片方の小指がはみ出たまま
納屋の裏の方へ向かうと
「あ、いた」
豆ちゃんがいた。
「パジャマだ。」
「パジャマだよ。だって来ると思ってないもん。」
私は恥ずかしくて
肩に掛けていたタオルで顔を隠した。
「かわいいね。」
豆ちゃんは私のタオルを掴んで
私の顔を伺った。
いつになく豆ちゃんが積極的な気がした。
納屋の裏は光がないから
顔が赤いのはバレてないと思う。
「どしたの？急に。」
「あ、そう。
東京ばなな持ってきた。」
豆ちゃんはリュックからヌッと
真ん中に「東京ばなな」と書かれた
大きな箱を出して、私に渡した。
「学校じゃあげられないから。」
たしかにこんなに大きなお土産を
私だけにあげてたら、
みんなに不審がられるだろう。
「楽しかったんだね、東京。
人多かった？」
「楽しかったよ。
びっくりするぐらい人多かった。
人口密度がヤバかった。」
豆ちゃんの表情が明るかったので
私は安心した。
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ののん(プロフ) - saorisaori630さん» 友だち申請、コメントありがとうございます！長い小説なのに時間割いて頂いてありがとうございます（TT)ファイナルもぜひ最後まで読んで下さいね！ (2020年2月27日 0時) (
レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
saorisaori630(プロフ) - はじめして！すごく素敵な小説でつい一気読みしちゃいました！笑ファイナルも是非読まさせて頂きたいです！友達申請しました(^^) (2020年2月26日 8時) (レス) id: 4b2dde0f96 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - ちぇりさん» コメントありがとうございます(^^)面白いと言っていただけると安心ですし、やる気が出ます！！ファイナル編もよろしくお願いいたします☆ (2020年2月24日 19時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
ちぇり(プロフ) - はじめまして！この作品を見つけて、おもしろすぎて一気に読んでしまいました！(^^)ファイナル編も楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2020年2月21日 8時) (レス) id: 9cc5cf3336 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - コメント、友だち申請ありがとうございます！がんばります(^^) (2020年2月16日 21時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2020年1月19日 0時
