Epilogue** ページ25
「ごめーん。
おくれー…」
木全先輩の陽気な声がした。
でも語尾が最後まで聞こえない。
瑠姫くんの唇はまだ私の首元にある。
あ
時が止まった。
瑠姫くんが顔をあげた。
「あ、悪い。」
木全先輩の返事はない。
私がチラリとドアの方を見ると、
木全先輩が瞬きもせずに、
突っ立っている。
その後ろに祐実。
木全先輩が視線を下げる。
瑠姫くんの手には
私の胸元にあるはずの
ネクタイが絡みついてる。
木全先輩が何かを察した。
「し、失礼しましたー！」
木全先輩がグルンと背中を向けて、
準備室から勢いよく出ていった。
「ちょ、え！？
待って。木全先輩ー！」
私の伸ばした手は虚しく宙をかき、
実験室の扉が
バタンッと
大きな音を立てて閉められた。
祐実も一緒に出ていったようだ。
祐実の姿もない。
瑠姫くんがうつむいて
肩を揺らして笑う。
「あははっ
翔也の顔、見た？
マジうける。
呆然ってあういう表情を言うんだなー。」
それを言うなら
結構私も呆然としてるんですけど。
「どうだった？
今頃、翔也と岡本さんで
俺らが何してたか想像して
顔真っ赤にして
お互いのこと意識してると思うぜ。」
そういうこと…？
目的はそこだったのね…。
瑠姫くんが私の襟元を直して
ブラウスのボタンを止める。
ビックリした。
襲われるのかと思った…。
「どうする？
それともこのまま続きする？
あいつら多分長らく帰ってこないと思うし。」
「…」
私はうつむいた。
「ビビリすぎだろ。」
瑠姫くんが
くすくすと笑ってネクタイを
私の首にかけた。
「また今度ね。」
瑠姫くんが私の頭を優しくポンと叩いて
解いたネクタイを結び出す。
ビビってるんじゃないよ。
私はその手を握る。
「？」
瑠姫くんが私のネクタイにあった視線を上げる。
私は瞬きもせず、
瑠姫くんの目の奥まで見つめる。
逆に瑠姫くんは目を瞬かせている。
瑠姫くんが煽動したのが悪い。
「今じゃ、ダメ？」
私が瑠姫くんのネクタイを握る。
クイッとネクタイを引く。
瑠姫くんの耳が少しずつ
赤くなっていく。
私は知ってる。
実は瑠姫くんは攻められるのに弱い。
「それ、どこで覚えたの？」
瑠姫くんがちょっと
恥ずかしそうに笑った。
そのまま倒れ込むように
キスを落とす。
準備室のドアが風でパタンと閉まった。
…end
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ののん(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！私もこの話が書いていて1番楽しかったので、好きになってもらえて嬉しいです！景瑚の話もめちゃくちゃ瑠姫が出る予定なので、よろしくお願いします(^^) (2021年9月15日 0時) (
レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 更新本当にびっくりでめちゃめちゃ嬉しいです！！終わってからも何回も読み返していてこの世界大好きなので続きが少しでも見れると思うと本当に嬉しいです！次の作品も楽しみにしてます！！ (2021年9月12日 18時) (レス) id: c0b1c1ec3e (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - つばささん» コメントありがとうございます！ギュンギュンして頂けて嬉しいです(^^)まだまだ未熟ですが、他のお話も読んでいただけると嬉しいですー！宜しくお願いします＼(^o^)／ (2021年7月30日 23時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - Risana.さん» コメントありがとうございます！こちらこそ読んでいただき、ありがとうございます！これからも心躍るドキドキするお話を書きたいです(^^)／ (2021年7月30日 23時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
つばさ(プロフ) - 本日一気読みさせて頂きました！ほんとにキュンキュンというよりギュンギュンしながら読んでました笑笑主様のお話どれも私のどタイプでほんとに好きです！これからも他の作品楽しく読ませていただきます！ (2021年7月27日 19時) (レス) id: 0a4aeecafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2021年3月13日 18時
