16** ページ17
夕闇が芝生を包み、
部屋のシーリングが煌々と輝き出す。
下からトントンと
包丁がまな板を叩く音が聞こえ、
俺はかばんを下げて、
Aの部屋をあとにした。
玄関へ出ると、
Aのお母さんがエプロンを取りながら、
リビングから出てきた。
「ごめんなさいね。
Aの勉強どう？
ほんとこの子、バカだから、
大変でしょう？」
「もう、止めてよ！
頑張ってるよ。」
Aがお母さんを制した。
ほんとバカですよね、
と喉まで出かかってるのを
必死にこらえた。
「そんなことないですよ。
Aさんが一生懸命勉強するので、
僕も頑張らないとって
いつも鼓舞してもらってます。」
「上手いこと言うのね。」
「本当ですよ。」
Aのお母さんが
ふふっと笑った。
俺は、Aのお母さんがちょっと苦手だ。
多分俺が『ほんとバカですよね』と
考えていたのもバレている気がする。
Aのお母さんと会うのは2回目だ。
初めて会ったのは、
体育館倉庫に閉じ込められて
熱中症になったAを
保健室に運んだ時。
保健室のベッドの上で
すぅーすぅーの寝息を立てる
Aを横で眺めていると、
勢いよく扉が開いて、
スーツを着た女性がカツッカツッと
こちらに歩いてきた。
「Aが倒れたって聞いて…
えっと…？」
恐らくAのお母さんだ。
全然似てない。
艷やかなロングヘアに
ピシッときめた灰色のスーツ。
走ってきたのか
息を切らしていた。
俺はすくっと立ち上がった。
「2年の白岩瑠姫と言います。
バスケ部でお世話になってます。」
「あ、そうなの…。
Aの母です。
Aは…？」
Aのお母さんは
俺を一瞥したあと、
Aの傍に来て、
すやすや眠っている姿を確認すると、
安心したのか倒れ込むように
丸椅子へ腰掛けた。
「先生は、
容体は安定してるから、
起きたら今日は帰って大丈夫と
おっしゃってました。
今、ちょうど席を外してて…。」
「そう…。
顧問の先生はAが体育館倉庫に
閉じ込められたっておっしゃってたけど、
白岩くんが助けてくれたのかしら…？」
「…はい。」
「そうなのね…。
何とお礼を申し上げればいいのか…。」
「いえ。
とんでもないです。」
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ののん(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！私もこの話が書いていて1番楽しかったので、好きになってもらえて嬉しいです！景瑚の話もめちゃくちゃ瑠姫が出る予定なので、よろしくお願いします(^^) (2021年9月15日 0時) (
レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 更新本当にびっくりでめちゃめちゃ嬉しいです！！終わってからも何回も読み返していてこの世界大好きなので続きが少しでも見れると思うと本当に嬉しいです！次の作品も楽しみにしてます！！ (2021年9月12日 18時) (レス) id: c0b1c1ec3e (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - つばささん» コメントありがとうございます！ギュンギュンして頂けて嬉しいです(^^)まだまだ未熟ですが、他のお話も読んでいただけると嬉しいですー！宜しくお願いします＼(^o^)／ (2021年7月30日 23時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - Risana.さん» コメントありがとうございます！こちらこそ読んでいただき、ありがとうございます！これからも心躍るドキドキするお話を書きたいです(^^)／ (2021年7月30日 23時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
つばさ(プロフ) - 本日一気読みさせて頂きました！ほんとにキュンキュンというよりギュンギュンしながら読んでました笑笑主様のお話どれも私のどタイプでほんとに好きです！これからも他の作品楽しく読ませていただきます！ (2021年7月27日 19時) (レス) id: 0a4aeecafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2021年3月13日 18時
