15** ページ16
何度も何度も離してはキスをする。
すき間から漏れ出る生温かい吐息さえも
愛おしい。
熱が、唇から、吐息から、
触れた首から、なでた髪から
俺の肩を握るAの指から、伝わる。
時計の秒針の音を聞きながら、
Aの指の力が強くなっていくのを感じる。
息絶え絶えに俺の胸を叩き、
離れようとするのを
無理やり首をつかんで押さえ込む。
次第に腰を引いて
背中からゆっくり倒れ込むと、
俺も一緒にAの上に
覆いかぶさる。
「んー…！」
本格的にもだえ始めたので、
口を離して解放してやる。
Aは大きく息を吸い込み、
肩で呼吸を整えた。
「な、長い…」
「鼻で、息すればいいじゃん。」
「あ…そっか…？」
一人で納得したように
コックリうなずいた。
ふっと笑って
Aの頬をなでた。
「？」
Aの頭の両側に手を置いて、
じっくり上から下まで見下ろす。
「いい眺め。」
「や…もう何も言わないで下さい…」
恥ずかしがって
手で顔を隠した。
俺は首周りが苦しくなって、
ネクタイに指を差し入れて、
クイッと緩めた。
指の間からその様子を見ていた
Aが喉をコキュッと
小さく鳴らした。
「これ、好き？
変態じゃん。」
「変態じゃないです…」
「あと、その見方もな。」
「どっちが…」
Aがふいっと目をそらした。
俺はAの手をとって
床に下ろした。
Aの首に手を這わせて、
くすぐったそうに
気まずそうにする表情を
仔細に調べるように見つめながら、
Aのネクタイに手を伸ばした。
そのとき。
ジャリ…。
窓の外で
タイヤがアスファルトを踏む音がした。
俺は手を止めた。
「お前…のお母さん、
何時に帰ってくんの？」
「今…何時？
あ、ちょうど…今ぐらいかも。」
近づく足音を聞いて、
Aの腕を引っ張って、
座らせた。
1階でガチャガチャッと鍵が開く音がする。
俺は参考書を広げたテーブルに
ゴツッと頭を落とした。
「え、大丈夫？」
「マジでそういうことは
先に言ってくれ。」
確認しなかった俺も悪い。
1階から声がする。
「ただいまー！
誰か来てるのー？」
「あ！
瑠姫くん来てるー！」
Aが立ち上がって、
バタバタと大げさに音を立てながら
階段を駆け下りていった。
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ののん(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！私もこの話が書いていて1番楽しかったので、好きになってもらえて嬉しいです！景瑚の話もめちゃくちゃ瑠姫が出る予定なので、よろしくお願いします(^^) (2021年9月15日 0時) (
レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 更新本当にびっくりでめちゃめちゃ嬉しいです！！終わってからも何回も読み返していてこの世界大好きなので続きが少しでも見れると思うと本当に嬉しいです！次の作品も楽しみにしてます！！ (2021年9月12日 18時) (レス) id: c0b1c1ec3e (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - つばささん» コメントありがとうございます！ギュンギュンして頂けて嬉しいです(^^)まだまだ未熟ですが、他のお話も読んでいただけると嬉しいですー！宜しくお願いします＼(^o^)／ (2021年7月30日 23時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - Risana.さん» コメントありがとうございます！こちらこそ読んでいただき、ありがとうございます！これからも心躍るドキドキするお話を書きたいです(^^)／ (2021年7月30日 23時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
つばさ(プロフ) - 本日一気読みさせて頂きました！ほんとにキュンキュンというよりギュンギュンしながら読んでました笑笑主様のお話どれも私のどタイプでほんとに好きです！これからも他の作品楽しく読ませていただきます！ (2021年7月27日 19時) (レス) id: 0a4aeecafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2021年3月13日 18時
