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強い光が道路を照らす。
バスが来た。
Aを離して背中を押した。
「家、入れ。」
「うん、今日勉強ありがとう。
また明日ね。」
「うん」
バスに乗った。
バスが動き出しても、
Aは必死に手を振っている。
バスの中には、
まだ早い時間だからか
数人乗客がいた。
俺は後方の座席に座って、
窓枠に頬杖をついた。
流れる景色をぼうっと眺める。
といっても何もなくて、
街灯だけがポツリポツリと
現れては消えていく。
そう言えば
Aに初めて会ったのは
このバスだった。
階段をすっ飛ばして前へすっ転ぶ姿は
今でもありありと頭に思い浮かぶ。
バカだよなー。
あんなどんくさい奴初めてみた。
最初にあのアホ面を見た時、
俺は『こいつ使えるな〜』と思った。
王子は王子だから輝けるんじゃない。
姫がいて初めて輝ける。
『姫を助ける王子。』
完璧な王子像。
いいじゃん、それ。
そう思って何気なく
Aに手を伸ばした。
ほんの出来心だったのに。
でも、何故か
Aといるうちに、
目的が変わってた。
目的が自分じゃなくて、
Aになってた。
自分の幸せじゃなくて
誰かの幸せを願うなんて、
柄じゃないのに。
でもそういう自分も悪くないと思えた。
Aのおかげかな。
ブブーッとベルが鳴った。
乗客が一人降りた。
次第に一人一人、
乗客が降りていく。
終点まで乗る人は俺以外いない。
終点へ着いて
蛍光灯が明滅する薄暗いバスを降りると、
ポーンポーンと20時を告げる鐘が鳴った。
暗闇にそびえ立つ
駅前の時計台だった。
駅から遠のくように歩いていくと、
人一人いなくなる。
暗闇の中、
背後で鳴る鐘の音が
一日の終わりを示す様。
いつか
俺が卒業するタイミングが来て、
Aと離れるときが来るのかな。
鐘が鳴ったら、
姿を消してしまうシンデレラみたいに
Aがいなくなる時が来るのかな。
ま、あり得ないか。
たとえそんな時が来たとしても、
俺は絶対にAを離さないし、
Aから離れない。
それは王子だからじゃなくて、
ただずっとAと一緒にいたいから、
鐘が鳴っても、
12時過ぎても帰さない。
．
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ののん(プロフ) - かんなさん» かんなさん、いつもありがとうございます！私もこの話が書いていて1番楽しかったので、好きになってもらえて嬉しいです！景瑚の話もめちゃくちゃ瑠姫が出る予定なので、よろしくお願いします(^^) (2021年9月15日 0時) (
レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - 更新本当にびっくりでめちゃめちゃ嬉しいです！！終わってからも何回も読み返していてこの世界大好きなので続きが少しでも見れると思うと本当に嬉しいです！次の作品も楽しみにしてます！！ (2021年9月12日 18時) (レス) id: c0b1c1ec3e (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - つばささん» コメントありがとうございます！ギュンギュンして頂けて嬉しいです(^^)まだまだ未熟ですが、他のお話も読んでいただけると嬉しいですー！宜しくお願いします＼(^o^)／ (2021年7月30日 23時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - Risana.さん» コメントありがとうございます！こちらこそ読んでいただき、ありがとうございます！これからも心躍るドキドキするお話を書きたいです(^^)／ (2021年7月30日 23時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
つばさ(プロフ) - 本日一気読みさせて頂きました！ほんとにキュンキュンというよりギュンギュンしながら読んでました笑笑主様のお話どれも私のどタイプでほんとに好きです！これからも他の作品楽しく読ませていただきます！ (2021年7月27日 19時) (レス) id: 0a4aeecafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2021年3月13日 18時
