拓実の攻撃 ページ46
勉強合宿が終わり、数日後。
Aは最寄駅の改札前で、
電車が到着するのを待っていた。
電車が止まり、また発車した。
ホームを上ってきたのは拓実だった。
「ごめん。待った？」
拓実がAの姿を見つけ、
手を振りながら駆け寄った。
「ううん。
さっき来たとこ。」
「図書館どっち？」
「西口。」
「こっち？行こ！」
拓実とAが並んで図書館へ向かう。
『図書館で勉強せん？』
一昨日の晩。
拓実からの電話だった。
Aの最寄駅の近くには
有名な建築家が設計した大きな図書館がある。
そこには学生用の学習スペースがあり、
園田高校の学生たちもよく勉強に来ていた。
「いいよ。いつにする？」
『明後日は？
何か予定ある？』
「予定ないよ。
大丈夫」
『ほんま？
13時でいい？』
「分かった。」
勉強合宿が終わってから、
拓実と頻繁に連絡を取るようになった。
LINEをくれるときもあれば、
電話の時もある。
嫌にならないぐらいの
ちょうどいい頻度で。
『じゃあ駅行くから改札で待ち合わせする？』
「わかった。」
『めっちゃ楽しみ。
早くAに会いたいな。』
たまに
心臓がふわりと浮き上がるような言葉を
くれる。
居心地は悪いけど、
悪い気はしない。
そして隣にいる今日も。
「A、ワンピースやん。」
「そう。」
「何気に私服初めて見た。」
「私も川西くんの私服、
初めて見た。」
拓実はチェックのシャツに
ジーパンというシンプルなスタイルだか、
何故かとても華やかに見える。
何着ても似合うんだろうなと
Aが視線をやると、
パチッと目が合った。
「めっちゃかわいい。」
「あ、いや…！
そんなことない。」
パッと視線を外す。
「そんなことある。」
勉強合宿はほとんどジャージだった。
二人がガッツリ私服で会うのは
初めてだった。
図書館だから適当でいいかと思いながら
クローゼットを開けて、
結局一番お気に入りのワンピースを着て来た。
拓実の真っ直ぐな言葉は
全部慣れない。
みぞおちがゾワッとする。
嫌じゃない。
でも、反応に困る。
拓実は自然に気持ちを伝えながら、
半歩後ろに下がって頭を抱えてる。
言ってから照れるのは反則だ。
『好きになってもらう自信がある』と
言っていた意味がなんとなくわかった。
強めの攻撃。
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ののん(プロフ) - carryさん» お返事遅くなりすみません(T_T)お読みいただき、ありがとうございます。パスワードはjuntakuです(^^) (2021年9月12日 16時) (
レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
carry(プロフ) - とても面白くて一気に読んじゃいました。続きのパスワードを教えていただくことはできますでしょうか？ (2021年9月7日 23時) (レス) id: def8c9f4b6 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - nanaさん» コメントありがとうございます！海のところは私も書きたかったところなので、褒めていただけて嬉しいです！これから辛い展開になりますけど、どうか最後までお付合いいただけると嬉しいです(T_T) (2021年6月18日 0時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - 海の帰りの車の中のシーンめちゃくちゃドキドキしちゃいました(泣)純喜くんも川西くんも動き始めて、どきどきの展開です(泣)毎話面白いお話をありがとうございます、これからも楽しみにしています！ (2021年6月15日 15時) (レス) id: eaa2ab5b8c (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - クミさん» コメントありがとうございます(^^)更新待っていて下さる方がいるのは嬉しいです！頑張って最後まで書きますのでお付合い宜しくお願いします！！ (2021年6月13日 0時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2021年5月4日 18時
