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Aは保健室を出て
図書室で勉強を始めた。
入れ違いに
英語の補習を終えた拓実が
ニヤニヤしながら保健室にやってきた。
「純喜くんがLINEで呼び出すなんて
珍しない？」
「そやけど…拓実。
お前今まで英語の補習やったん
ちゃうんかい。
何ですぐ返信返ってくんねん。
授業中携帯触ったらあかんやろ。」
「だってすぐ返したほうがいいやん。
英語の補習受けてんのわかってんのに
送ってくる純喜くんも悪ない？」
「うーん。」
純喜はぐうの音も出ない。
ぶつぶつ言いながら、
拓実を相談スペースへ促す。
「ところで拓実、
今日何か変な話聞いたか？」
「何の話？」
「駅前に不審者がいたって。」
「あ、もしかして祥生が言ってたやつ？」
「そう。」
「なんか、Aのこと探してんねんやろ？
なんなんやろ…。
ストーカー？
でも女の人らしいで。」
「何を企んでんのか分からんけど…
Aのこと、心配やろ？」
「心配に決まってるやん！」
拓実が食い気味に返事をする。
相当Aに惚れ込んでる。
「やろ。
そやから、拓実。
補習の間だけでも
Aと一緒に帰ったってくれ。」
「いや、純喜くんに言われんでも
そのつもりやけど。」
素直なんだか、
ひねくれてんのか
分からない拓実の発言に
純喜はくすりと笑った。
「おっけー。
ほな、よろしくな。
俺も不審者情報として
他の先生にも共有しとくから。
頼むわ。」
「任して。」
「ほんま、頼むで。」
拓実はふふんと鼻唄を歌っている。
純喜は拓実の緊迫感のなさに不安を覚えたが、
またそれも拓実らしくていい。
きっと拓実は肝心なところは
しっかりとキメてくれるはずだ。
でも、
拓実はちゃんとAを
守ってくれるだろうと思うと、
複雑な思いだった。
本来は自分が守るべきなのに。
「ほな、帰るわ！
純喜くん、また明日。」
ニコニコ上機嫌で拓実は
保健室をで出ていった。
純喜はパソコンを開いて、
仕事に戻る。
『俺も不審者情報として
他の先生にも共有しとくから。』
拓実にはそう言ったものの、
でもまだ菜々が
何かを仕掛けた訳じゃない。
まだ憶測でしかない。
とりあえず、
ことが大きくなる前に
何とか自分で抑え込みたい。
菜々に関しては
まだ自分は加害者じゃないとは
言い切れない。
純喜はため息をついて
天井を仰いだ。
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ののん(プロフ) - carryさん» お返事遅くなりすみません(T_T)お読みいただき、ありがとうございます。パスワードはjuntakuです(^^) (2021年9月12日 16時) (
レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
carry(プロフ) - とても面白くて一気に読んじゃいました。続きのパスワードを教えていただくことはできますでしょうか？ (2021年9月7日 23時) (レス) id: def8c9f4b6 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - nanaさん» コメントありがとうございます！海のところは私も書きたかったところなので、褒めていただけて嬉しいです！これから辛い展開になりますけど、どうか最後までお付合いいただけると嬉しいです(T_T) (2021年6月18日 0時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - 海の帰りの車の中のシーンめちゃくちゃドキドキしちゃいました(泣)純喜くんも川西くんも動き始めて、どきどきの展開です(泣)毎話面白いお話をありがとうございます、これからも楽しみにしています！ (2021年6月15日 15時) (レス) id: eaa2ab5b8c (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - クミさん» コメントありがとうございます(^^)更新待っていて下さる方がいるのは嬉しいです！頑張って最後まで書きますのでお付合い宜しくお願いします！！ (2021年6月13日 0時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2021年5月4日 18時
