通知 ページ16
テスト期間が明けた。
チャイムが鳴って、
純喜がニヤニヤしながら、
教室へ入ってくる。
「今日何するか分かるかぁー？」
純喜の口許からは
こらえ切れない笑いが
ボロボロとこぼれ落ちる。
「テスト返すでぇー。」
嬉しそうにテストを掲げると、
『まじかよー。』
という期待どおりの反応があがる。
純喜は生徒たちのこの反応が好きらしく、
学生たちもそれを知っているのに、
毎回同じ反応をしてしまう。
名前順に答案用紙が返されていく。
そわそわしながら、
前へ出て答案用紙を受け取る。
ガッツポーズをしたり、
極端に落胆したり。
クラスメートが様々な反応を見せる中、
Aはいつも無反応だった。
黒板前までテストを受け取りに行き、
席に戻ってチラッと点数を確認して、
すっと裏返す。
Aの名前が呼ばれ、
純喜から答案用紙を受け取った。
席について、答案用紙を開く。
Aは眉をひそめた。
普段なら関心のないテストの点数を、
じいっと穴が開くほど見つめている。
『20点』だった。
Aは85点を下回ったことはない。
理由は単純だった。
回答がひとつズレていた。
Aは、それに気づいて、
いつもどおり、すっと裏返した。
純喜は答案用紙を返しながら、
Aの様子を見ていた。
授業が終わり、
純喜はAを
教室の外に呼び出した。
「放課後、保健室来れるか？」
「はい。」
「お、おう。よろしく。ほな」
放課後の呼び出しに対して、
特に何の表情の変化もないAに、
逆に純喜がたじろいだ。
他の学生だったら、
『え？何で？』と大概聞いてくる。
多分Aも
テストのことなんだろうとわかっているから、
そんな反応をしたのだろうと予測したが、
もう少し反応がほしいと思うのが、
純喜の性だ。
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ののん(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！色々あれやこれや悩んで試行錯誤しながら書いておりますので、そう言っていただけると、本当に励みになります！りんさんのコメント読んで嬉しくてニヤけちゃいました笑 (2021年4月29日 1時) (
レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - こんにちは。瑠姫くんの12時〜シリーズからののんさんのお話のファンになったのですが、このお話ほんっっっとに好きです､､､。本物の小説を読んでるみたいにドキドキしてしまいます。いつも素敵な物語をありがとうございます(T^T) (2021年4月28日 1時) (レス) id: a55fc0b198 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - はっぱさん» コメントありがとうございます(^^)全部読んでくださったんですか？ありがとうございます(T_T)期待に添えるお話を書けるかどうか不安ですが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです! (2021年3月31日 23時) (レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
はっぱ - ののんさんのお話全て読ませていただきました！今回も推しの純喜くんが出るのでさらに楽しみです！ (2021年3月31日 13時) (レス) id: ede0d803b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2021年3月28日 23時
