お悩み相談室 ページ8
家に帰ろうと、講義棟を出たところ、
やはり大粒の雨がボタッボタッと落ちてきた。
雲の様子を見ると、
一向に止む気配はなさそうで
傘も持ってきていなかったので、
学生ホールのカフェで
本でも読んで行くことにした。
カフェに入って注文をして
お待たせしましたーと出てきたのは
何故かホットのカフェラテだった。
俺はいつもブラックコーヒーしか頼まない。
無意識的に
ホットのカフェラテを頼んでいたらしい。
そう言えば講義棟の８階に
富士山を見に行ったとき、
彼女がホットのカフェラテを頼んでたっけ。
病気かもしれない。
とりあえずカフェラテを持って
円形テーブルに座った。
カフェラテを一口飲んでみたけど、
熱いし暑い。
さっきの那奈心ちゃんの言葉を思い出すと、
優越感なんてすっかり消え去って、
あの男の子は何者なんだと気になり始めた。
彼女にも沙羅ちゃんの他に
仲良い子がいたんだな。
まあそりゃ大学１年生だもんな。
出会いなんてそこら中に落ちてる。
彼女と距離が縮まって
彼女の新しい一面を見れて
舞い上がったりしたけど、
彼女のことまだまだ全然知らないんだなと
実感させられる。
心がモヤモヤして
「あー、もー」
と小さくため息をつくと、
カフェの自動ドアが開くのが見えた。
カツッカツッ
あの軽快なヒールの音は、
「あー！奨くん！
何やってんのー？」
カフェ中に響き渡る高い声の持ち主は
織田先輩だ。
「お疲れさまです。」
俺はすくっと立ち上がり、
ペコリとお辞儀をした。
「もー、そんな後輩面しないでよ〜。
今は同じ学年なんだからさ。」
織田先輩は当たり前のように
俺の目の前にドサッと座った。
「で、何？
悩める少年なの？」
「え？別に悩んでないですよ。」
「いや、さっきため息ついてたでしょ？
恋の悩みかあ。」
「別にそんなんじゃないですから。」
「分かりやすいなあ。
何、お姉さんに言ってみなよ？」
「さっきまで後輩面するなって言ってたじゃないですか。」
「それとこれとは別なのー！」
カフェ中に響き渡る声から、ちゃんと誰にも聞こえない低い小さな声で話し始めた。
「うーん、まあ、そういう事ですよ。
気になってる子がいるんですけど、その子が男の子と仲良くしてるところを見ちゃって、ちょっと何だろうなって思っただけです。」
「何それ？
私と奨くんだって今仲良くしゃべってるじゃん。」
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ののん(プロフ) - コメントありがとうございます!!これからも更新頑張ります^^ (2020年4月21日 23時) (
レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 大好きです！これからも更新楽しみにしてます(^^) (2020年4月20日 23時) (レス) id: f70137444b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2020年4月20日 21時
