仲直り ページ46
土曜日のサッカー練習が終わり、ちょうどサッカー場を抜けたところだった。
「與那城先輩っ！」
背後から誰かが走って呼びかける声が聞こえた。
沙羅ちゃんだった。
「あ、おつかれー。」
俺はいつものように挨拶をしたつもりでいたのだが、
「ぐすっ」
と急に沙羅ちゃんが泣き出してしまった。
「え？どしたの？
何か嫌なことあった？」
沙羅ちゃんが手で涙を拭った。
「何で與那城先輩、そんな私に対して普通なんですか！私、あんなにひどい事言ったのに。」
「ひどい事？なんだっけ？」
『もういいです！最低！
女たらし！消えてまえ！』
ああ…。
大学祭後の練習帰りの発言のことか。
色々有り過ぎてすっかり忘れてた。
「そういえばそんな事もあったねー。
いいよ、いいよ。気にしないで。
元はと言えば俺が
アホなだけだったんだし。」
「先輩…。」
沙羅ちゃんが潤んだ目で俺を見た。
「確かにあの時の先輩はアホでしたけど。」
一言多いなあ。
沙羅ちゃんが横に並んで、
歩き始めた。
「先輩とAのこと、
Aから詳しく聞きましたよ。
おめでとうございます。」
「ありがとう。
何て言ってたの？」
「『もしかしたら與那城先輩と恋仲になったかも知れへん。』って。照れてるAほんま可愛すぎました。」
「あはは。恋仲って何かAちゃんらしいなあ。」
何だかちょっと照れくさくなった。
「そういえば、與那城先輩がライブハウスでライブしてるって言うのも聞きましたよ！」
「あ、ほんとに？
そう。下北沢で偶に、月１回か２回ぐらいやってるんだ。」
AちゃんとLINEをちょこちょこするようになって、この前
Aちゃん沙羅にライブのこと言ってもいいですか?
と許可を求めるLINEが来たのだ。
與那城奨ぜひ!沙羅ちゃんも誘って来てよ。
と送ると、
Aちゃん誘います。では今後與那城先輩を広める活動を始めます。
と返ってきて、
頼もしい彼女だなと思った。
「だからなんですね。
いや、学生会館で與那城先輩が歌ったとき、本当に上手すぎて歌手かと思いましたもん。」
「うわー、そう言ってくれるとめっちゃ嬉しいよ。」
「惜しいですよ。もっと大学でもやったらいいのに。」
俺はハハと愛想笑いをして、
小道を歩いていく沙羅ちゃんに手をふった。
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ののん(プロフ) - コメントありがとうございます!!これからも更新頑張ります^^ (2020年4月21日 23時) (
レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 大好きです！これからも更新楽しみにしてます(^^) (2020年4月20日 23時) (レス) id: f70137444b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2020年4月20日 21時
