ともに報告 ページ44
７月の後半に、ともとのライブがある。
その打ち合わせ兼、練習のため、新宿にあるスタジオに集まって、ともと何度も繰り返し歌った。
一通り練習を終え、いつものようにごはんを食べに新宿の西口辺りを歩いた。
ビジネス街とあって落ち着いたお店が多かった。俺が沖縄のお兄ちゃんに教えてもらったスペイン料理屋さんがあった。
カウンターに座り、ハイボールと生を１つずつ頼んだ。
「ともに報告があるんだけど。」
「え、何何？」
「あの、いつもライブに来てくれる髪の長い女の子いるじゃない？」
「ああ！あの俺のバイト先一緒に来た子でしょ？」
「そう。その子と付き合うことになった。」
「うぇい？！」
ともが奇声を発したちょうどその瞬間に生ビールとハイボールがやって来た。
店員さんがとものでっかい奇声にビックリしていたので、ともはペコッと笑顔で会釈した。
カチャンとグラスを合わせて、渇いた喉を潤す。
「まじ？ていうか、付き合ってなかったんだ。」
「そうだよ。何回かともに否定したけど、全然聞いてくれなかったし。」
「えー、でも良かったねー。まあ彼女も奨くんのこと長い間追いかけてたもんなー。」
「え？長い間って、ともはもともと知ってたの？」
「うん。真面目そーな女の子が１人で来てたから結構目立ってたしなあ。」
俺は全然気づかなかった。
ともは本当に周りがよく見えてるなあ。
「じゃあ今日はお祝いということで、いっぱい飲んじゃお。」
ともは笑いながら、一杯目の生ビールを空けた。
「そういえば、オーディションのやつ、結果届いた？」
ともが店員さんを呼んでレモンサワーを頼んだ。
「オーディション？」
「ほら、この前一緒に送ったやつ。」
「あー、届いたよ！書類選考通過だった。」
「まじ？俺も！俺も！」
ともが嬉しそうにその場で飛び跳ねた。
俺とともは６月にある有名なオーディションの書類を一緒に送っていた。
今まで小さい歌の大会や大きな企業のオーディションまで幅広く受けてきたので、どのオーディションの事か一瞬こんがらがった。
先日家に帰ったら封筒が１通届いていて、
『書類選考通過』の文字と次の一次審査の日程と場所が下の方に書かれていた。
「とも一次審査いつって書いてた？」
「俺は木曜日。奨くんは？」
「俺は水曜日だった。別の日ってことは結構受けるのかな。」
俺は一杯目のハイボールを空けて店員さんを呼んだ。
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ののん(プロフ) - コメントありがとうございます!!これからも更新頑張ります^^ (2020年4月21日 23時) (
レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 大好きです！これからも更新楽しみにしてます(^^) (2020年4月20日 23時) (レス) id: f70137444b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2020年4月20日 21時
