特別 ２ ページ41
彼女の瞳に映るオレンジ色の夕日がゆらゆらと揺れていた。
俺は彼女の言葉に胸がうずいて、
思わず立ち上がった。
「俺はっ…」
ガッターーン！
教室に鋭い衝撃音が響いた。
俺と彼女は同時にビクッと肩を震わせて音の鳴った方を見た。
俺が勢いよく立ち上がったせいで
座っていた椅子が音を立てて反対側へひっくり返ったのだった。
「あーあー。」
俺はかがんで、ひっくり返った椅子を直した。
くっそ…
せっかくのいい雰囲気だったのに…。
何でこう大事な時にちゃんと出来ないかな…
俺が大きなため息をついて椅子に座り直すと、
「ふふっはは…」
と目の前で笑い声が聞こえた。
まさかと思って彼女を見ると、
なんと彼女が声を出して笑っていた。
「Aちゃんが声出して笑うの、初めて見た。」
俺は感動して彼女をポーと見つめた。
「可笑しいのです。」
「何が？椅子が倒れたのが？
箸が転んでもおかしい的なやつなの？」
「違います。
與那城先輩です。」
「俺？」
「はい。本当にそうだなと思いました。」
「本当にどう？」
俺は眉をひそめて聞いた。
彼女が何を言おうとしているのか理解出来なかった。こんな時にも変なコだ。
「本当に…
周りの言葉をビクビク気にするほど臆病で、
自分の言いたいことも言えないヘタレで、
私の言葉に動揺してしまうほどの純粋さ。
これが與那城先輩が『臆病ヘタレ純粋ボーイ』と謂われる所以ですね。」
彼女は得意気に微笑んだ。
『臆病ヘタレ純粋ボーイ』って…
なんかどこかで聞いたような気がするな。
どこだっけ。
てか、さっきからずっとAちゃんのペースに巻き込まれてる気がする。
俺はなんだか悔しくなってきた。
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ののん(プロフ) - コメントありがとうございます!!これからも更新頑張ります^^ (2020年4月21日 23時) (
レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 大好きです！これからも更新楽しみにしてます(^^) (2020年4月20日 23時) (レス) id: f70137444b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2020年4月20日 21時
