待ちぼうけ ページ5
しかし、土日はおろか、
月曜日が始まっても、彼女から連絡が来ることはなかった。
月曜日３限は隣に那奈心ちゃんが座っていて、
那奈心ちゃんの横をすっと歩いて行く彼女の姿が見えた。
火曜日は２階から、
食堂へ向かう彼女と目が合ったが、
純喜に「今日学祭の委員会ついてきてー！」と彼女とは反対方向へ引っ張られていった。
水曜日の放課後は
一向に携帯が鳴る気配がなかったので、
いつもより強めの筋肉会で
純喜の筋肉をいじめてやった。
木曜日になってようやく
彼女の様子を知ることができた。
サークルが終わって、
沙羅ちゃんと帰っていた時だった。
「最近、Aちゃんどうしてる？」
俺は開口一番に彼女の様子を尋ねた。
沙羅ちゃんはハッとした顔をして、
「そう言えば、AにLINEで
與那城先輩に伝えておいてって
言われてたんでしたー。
すっかり忘れてましたー。」
となにやら猿芝居を始めた。
わざと言わなかったな。
「A、携帯壊れたんですって。
床に置いてたら携帯踏んじゃって、
パックリ。」
「だから連絡がひとつもなかったのか。
え、携帯って床に置く？」
「いや、Aの部屋、
めっちゃ汚いんです。
足の踏み場がないんですよ。
衛生的にはキレイなんですけど、
整理整頓がホンマに出来ないんです。
多分部屋見たら、『あ、これ踏むわ。』
って思うと思いますよ。」
「それまた俺がツッコんで
オカンって言われるやつじゃん。」
「先輩きれい好きそうですもんね。」
「まあ片付けは得意だよ。
得意というか、最低限生活に必要な
能力だと思うけどね…」
「A ちゃんはそういうところが
欠落してるんだよな。
まあそういう見た目とのギャップというか
危なっかしくて目が離せないところが
良いんだけどさ。」
沙羅ちゃんが俺のモノマネを始めた。
「ちょっと俺の口調真似しないでくれないかな？」
「與那城先輩の気持ちを代弁してみたんですけど、違いますか？」
沙羅ちゃんがニヤニヤしながら振り向いた。
「いや、先輩をからかうの
沙羅ちゃんの悪い癖だよ、ほんと。」
ちょっと怒りながら、住宅の間の小道を歩いて行く沙羅ちゃんに手を振った。
「まあ間違ってはないけどさ。」
小さな声で付け加えた。
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ののん(プロフ) - コメントありがとうございます!!これからも更新頑張ります^^ (2020年4月21日 23時) (
レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 大好きです！これからも更新楽しみにしてます(^^) (2020年4月20日 23時) (レス) id: f70137444b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2020年4月20日 21時
