遊び人 ページ28
「意外や意外。
俺、ずっと奨くんは
沙羅ちゃんの事が
好きやと思ってたわ。」
純喜がうなずきながら言った。
「いや、それは違うよ。」
土曜日のサークル練習を終えて、
俺はコートの端でメンバーと集まって
着替えていた。
「え、だって２人めっちゃいい感じの
雰囲気でしたよね？」
純喜が他のメンバーを指差して、
同意を求めたが、
みんな首を横に振っていた。
「あれ？」
「沙羅ちゃんはそういうのじゃないよ。
今まで純喜には黙ってたけど、
俺は沙羅ちゃんの
親友が好きなんだよ。」
俺が沙羅ちゃんの名前を出すと、
帰路につく沙羅ちゃんと
バチッと目が合った。
今日初めて沙羅ちゃんと目が合った。
しかし、すぐに沙羅ちゃんは
目をそらした。
「えぇー！
全然知らんかったんですけど。
え？みんな知ってました？」
純喜がメンバー
ひとりひとりを確認すると、
みんな静かに頷いていた。
「え？でも何であの時、
告白OKしたんすか？
アホちゃいます？」
純喜の言葉が深く俺の胸に刺さる。
俺は頭を抱えてうなだれた。
少なくともサッカーサークルの
メンバーは同情してくれた。
あの那奈心ちゃんの告白に
俺は何故か
『よろしくおねがいします。』
と答えてしまったのだ。
ステージから降りたあと、
俺は那奈心ちゃんに
「ごめん。これには理由があって。」と断ろうとしたが、那奈心ちゃんは告白の後だったからか、興奮して全く俺の話を聞いてくれなかった。
「あれは、あの雰囲気で断れないよな。俺もテンション上がっちゃって…ごめん。」
読者モデルの先輩が
俺に手を合わせて謝った。
「あと、去年のアレもあるしな。」
「ああ…。」
純喜も思い出したのか同情した。
「去年のアレって何すか？」
１年生の男の子が聞いた。
俺は去年もあのフィナーレステージに立たされた。告白される側だった。
告白してくれたのは、
武蔵野キャンパスで『高嶺の華子さん』と呼ばれ、ミスコンにも出場した１つ上の先輩で、(本名が華子さんだった)
俺はその先輩と１つだけ
授業が重なったぐらいの面識だった。
授業で見る先輩は、いつも周りにカッコいい
男の子を携えていて、住む世界の違う人だなあと思っていた。
そんな矢先の告白だった。
俺は当然その先輩の事はよく知らなかったし、他の男の子の逆襲が恐いので、断った。
それが良くなかった。
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ののん(プロフ) - コメントありがとうございます!!これからも更新頑張ります^^ (2020年4月21日 23時) (
レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 大好きです！これからも更新楽しみにしてます(^^) (2020年4月20日 23時) (レス) id: f70137444b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2020年4月20日 21時
