変な彼女 ３ ページ20
月曜日の３限。
俺はやっぱり彼女の様子が気になって、
大講義室の近くで(那奈心ちゃんに)隠れて柱の陰で、彼女を待ち伏せした。
「與那城先輩。」
突然背後から誰かに名前を呼ばれて、
ビクッと肩を震わせた。
振り向くと、彼女がひょこっと柱から顔を出していた。
「うわ、びっくりした！」
「こんなところで隠れて
何をしているのですか？
人でも殺しましたか？」
「え、いや。殺してないけど。」
「冗談です。」
彼女が微笑んだ。
特に彼女に変わったところはなく、
いつも通りだった。
「誰かをお待ちですか？
ではお先に失礼します。」
と言って、彼女はそのまま俺の前を通り過ぎようとしたので、思わず彼女の腕を握った。
「何ですか？」
今度は逆に彼女が驚いたように俺を見た。
彼女の頬がほんのり赤く染まったのに気がついて、パッと手を離した。
「いや、Aちゃんの様子が変だったから、
Aちゃんを待ってたんだけど。」
彼女が訝しげに俺を睨んだ。
「変ではありません。」
「電話で変に聞こえたから。」
彼女は少し困った表情をして
「変な方ですね。」
と言った。
Aちゃんに言われたくない、と喉から声が出かかってたが、一応やめた。
「そういえば、
私も與那城先輩に用事がありました。」
彼女は参考文献でパンパンのトートバックの奥底から、ハンドサイズの手帳を取り出した。
「演劇に興味はありませんか？」
「演劇？」
俺はポカンと彼女の顔を見た。
「はい。私の友達が大学祭で初めて劇に出るそうなんです。」
「ああ、今週もう大学祭だもんね。」
「そうです。
友だち連れて観に来てほしい
と言われたのです。
與那城先輩は友だちではありませんが、
劇を嫌いでなければ、
ぜひいかがですか？」
「行くよ。いつなの？」
即答した。
「木曜日の１０時からです。」
「わかった。空けとくね。」
劇に特別興味があるという訳ではなかったが、彼女の誘いを断るはずがない。
「では、また木曜日にお会いしましょう。」
彼女が手帳をトートバックにしまって、
講義室へ入ろうとした。
「Aちゃん。」
俺は彼女を呼び止めた。
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ののん(プロフ) - コメントありがとうございます!!これからも更新頑張ります^^ (2020年4月21日 23時) (
レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 大好きです！これからも更新楽しみにしてます(^^) (2020年4月20日 23時) (レス) id: f70137444b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2020年4月20日 21時
