ライブ終わり ページ1
今日のライブは
ともと一緒に出演した。
金曜日の午後は授業が入っていなかったので、
早めに下北沢に行って、
ともとライブの練習をした。
本番はいつも通り
気持ちがいいライブだった。
やはりとものＭＣは評判がよく、
今日も観客の笑いを誘っていた。
あの酔っ払いの男二人組は
店長に聞いたところ、
前回の一件で出入り禁止になったようだ。
今日も彼女の顔が客席の後ろの方に見えたので、色んな意味で安心して、ライブができた。
ライブを終えて
ステージ裏で片付けをしていた。
ともとライブをした日はきまって
片付けを終えた後に、
ともと二人でご飯を食べに行っていた。
でも今日は行けない。
「奨くん、この後ご飯いくっしょ？」
「あ、ごめん。今日はパスだわ。」
「何で？
あ、わかった。彼女でしょ。
今日も後ろの方で見てたよね。」
ともがニヤニヤしながら、俺を指さした。
「いや、だから彼女じゃないって。」
彼女になってくれればいいんだけど、と
心の中で付け加えた。
ライブハウスを出て
下北沢駅へ向かうと彼女が待っていてくれた。
実は、ライブが始まる前に
こっそり客席に行って
「ライブ終わったら、一緒に帰ろう。
下北沢駅で待ってて」
と耳打ちしていたのだった。
そうでもしないと、彼女と話せなくなってしまうのではないかと思った。
「ごめん、おまたせ。」
「お疲れ様です。
今日の歌声も素敵でした。」
彼女はいつものように丁寧なお辞儀をした。
「ありがとう。
今日はともがいたからね。」
「謙遜なさらないで下さい。
私は與那城先輩の歌声がとても好きなのです。
レコーダーにもしっかり録音しました。
毎日聞きます。」
彼女の歯に衣着せぬ言葉に、俺は照れてしまった。
井の頭線で吉祥寺駅まで行って
中央線に乗り換えた。
井の頭線はそこまで混んでいなかったのだが、
中央線の混み方は毎日ひどい。
オレンジ色の電車がホームに入ってきて
電車に乗り込んだ。
反対側の自動ドア付近に
アコースティックギターを下した。
彼女は高めのつり革に手をピンとのばして
掴まっていたが、
次々に乗客が押し寄せてきて、
彼女が1歩、2歩と俺に近づいてきて
つり革を離した。
俺は彼女との距離感を意識せざるをえなかった。
上の学習塾の広告をぼんやり見ながら話しだした。
「なんだか久しぶりだね。」
「学校で何度かお会いしました。」
「そうだね。
でもあんまり話す機会がなかったなと思って。」
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ののん(プロフ) - コメントありがとうございます!!これからも更新頑張ります^^ (2020年4月21日 23時) (
レス) id: b70c73754c (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 大好きです！これからも更新楽しみにしてます(^^) (2020年4月20日 23時) (レス) id: f70137444b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2020年4月20日 21時
