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それは半年ほど前のこと。
朝の駅までの通学路。
吐く息が白くて寒い日だった。
「俺、今日から、
『Aねえちゃん』じゃなくて、
『A』って呼んでい？」
突然そんなことを提案するもんだから
私は朝の眠い目をパチクリさせた。
「なんで？そのままで良くない？」
「だってもう俺の方が身長高いじゃん。」
景瑚が自分のおでこに
手を当てた。
それは私の身長の高さだ。
中学に入り、すくすく成長している景瑚は
いつの間にか私の身長まで抜かしていた。
何回も言うけど、
私は女子にしては背が高い。
なのに、中1の景瑚に抜かされるなんて。
「だからって呼び捨てはなー。
3歳の威厳がさ。」
「決定ね。」
「でも…
別に『Aねえちゃん』でいいじゃん。
『Aねえちゃん』の方が
景瑚がぴょこぴょこ私の後ろを
着いてきてたのを思い出すし。」
「それじゃダメなんだって。
俺はもうあの頃の俺じゃないし、
Aに俺を意識して欲しいもん。」
「意識？」
「うん。
Aに俺のこと
ちゃんと好きになって欲しいじゃん。」
「あ、ヤバッ。電車来そう！走るっ！」
「話そらしたでしょ？
行ってらっしゃい、A！」
いつもよりちょっと早い時間に家を出たのに
『A』と呼ばれるのがくすぐったくて、
嘘をついて駅まで走った。
よく考えれば、
景瑚は告白してくれた時から
一歩ずつ私に近づいてる気がする。
背が伸びて
筋肉がついて
声も低くなった。
半年前に私の身長を抜かした景瑚。
どんどん大人っぽくなって、
そろそろかわいいかわいい景瑚を
思い出せなくなってる。
ベッドに座って
私を見つめる目の前の景瑚はもう
子どもじゃない。
「ねー、A」
「何？」
「今俺のことかんがえてたっしょ？」
「は？」
「だって顔赤いもん。」
「暑いからだよ。
人口密度高いから！
早く帰って勉強しろ！」
「ふぁーい」
景瑚にドキドキさせられてる私の方が
実はまだ子どもなのかも知れない。
続く (更新停止中)
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緑(プロフ) - ののんさん» そうだたんですか！尚更読めて嬉しいです☺️ (2021年9月27日 8時) (
レス) id: 70fd815c99 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - 緑さん» コメントありがとうございます☺️前作も読んで頂き嬉しいです✨実は景瑚の話は書くか迷ってたのですが、こうやって待っていて下さった方がいると思うとほんと励みになります😊😊😊 (2021年9月27日 0時) (レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
緑(プロフ) - 12時過ぎても帰らない好きすぎて何回も読み返していた作品でゴリ美先輩と景瑚くんのカップルのお話読みたいなぁと密かに思っていた所にまさか出ていたとは！！更新楽しみに待ってます☺️ (2021年9月22日 23時) (レス) @page17 id: 70fd815c99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2021年9月12日 14時
