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景瑚を見て観衆に笑いが起こる中、
私たちから少し離れたところに
並んでいる男の人たちが
『giraffe』のコートを指さした。
「やべー生『giraffe』だー。佐藤くんどれ？」
「あれじゃん。
さっきシュートうったの、
佐藤くんでしょ？
相変わらず余裕かましてんな。」
「今日も独壇場なんじゃん。
てかさ、お前、この前のU15の記事読んだ？
佐藤くん特集されてたやつ。」
「見た見た。
中2でダンクとかマジでレベチ」
「なー、確かに中学生でも
ダンク決める奴いるっちゃいるけど、
なんだろーなー、迫力？
なんかオーラあるよな。
この前の練習試合、
1人で1試合35点入れたってよ。」
「やべー。ほんとに中2だよな？」
「まあでも、佐藤くんのお父さん、
元プロらしいよ。」
「まじ？」
「おん。多分あれじゃね？
向こうに立ってる」
「背高ぇー…」
当たりだ。
景瑚のお父さんはコーチで、
元プロバスケ選手だ。背も高い。
「だからあんなに上手いのかー。
所詮バスケも才能と環境だよなー。
いーよなー。」
「俺も欲しー」
才能と環境か…
確かに景瑚は才能と環境に恵まれてるけど、
それだけじゃない。
胸の内からふつふつと熱いものが
沸き上がる。
つかつかと歩み寄り、
瑠姫の制止を振り切って、
肩を叩く。
「ちょっと。」
「あ？なんすか？」
「景瑚は才能と環境だけじゃないですよ。
景瑚は努力して上手くなったんです。
ほんと毎日遅い時間まで練習してるんですよ。」
男の子たちが目をパチクリさせて、
私を見ている。
その目は次第に
不審なものを見る目に変わる。
「何この人…」
「ゴリ美先輩、
すぐ熱くなるの辞めてくださいよ」
瑠姫が私を止めて、
引っ張る。
私もハッとして、
顔を隠した。
「あれ？
隣にいるのって…
白岩くんじゃね？
『giraffe』だった…」
男の子たちは
瑠姫のことを知っている。
確かに中学の時の瑠姫は
プレーだけでなく、
その容姿も昔から注目を浴びていた。
バスケをやってるこの辺の人だったら、
瑠姫の顔は誰でも知っている。
「うそ。じゃあ、もしかして古郡さん？」
古郡…私だ。
でも、
今は、
『私』じゃない。
「違います。」
「こんなとこにいる訳ないか。」
ふいっとその場を離れた。
「あんだけ期待されてたのに消えたんじゃ、
こんなとこ来れないよな。」
男の人が呟く。
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緑(プロフ) - ののんさん» そうだたんですか！尚更読めて嬉しいです☺️ (2021年9月27日 8時) (
レス) id: 70fd815c99 (このIDを非表示/違反報告)
ののん(プロフ) - 緑さん» コメントありがとうございます☺️前作も読んで頂き嬉しいです✨実は景瑚の話は書くか迷ってたのですが、こうやって待っていて下さった方がいると思うとほんと励みになります😊😊😊 (2021年9月27日 0時) (レス) id: 81e0daef40 (このIDを非表示/違反報告)
緑(プロフ) - 12時過ぎても帰らない好きすぎて何回も読み返していた作品でゴリ美先輩と景瑚くんのカップルのお話読みたいなぁと密かに思っていた所にまさか出ていたとは！！更新楽しみに待ってます☺️ (2021年9月22日 23時) (レス) @page17 id: 70fd815c99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ののん
| 作成日時：2021年9月12日 14時
