松田くんと同期ちゃん【名探偵コナン】【天空の難破船】

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｢燃料タンクに設置した爆弾はお前とあの刑事が外したんだろうが、キャビンにはもう2つ残ってたわけだ。


…だがその前に、お前には海の藻屑となって消えてもらう！｣


向けられる銃口。

やばい、撃たれる…ッ！


目をつぶった瞬間。


＿ﾊﾞﾝｯ!


という銃声。

しかし痛みは襲ってこない。

代わりに｢カハッ｣という藤岡の声。

振り向くとそこには…



｢子供に容赦なく発砲とは、どういうつもりだ？


藤岡サンよ｣


｢ま、松田刑事！？｣



天パ頭のサングラス刑事＿松田刑事が、拳銃を持ってニヤリと笑っている。

どうやら彼が打った弾が藤岡の利き手を掠ったらしい。

痛みに悶え立ち上がれない藤岡を見た松田刑事は、俺の元へ駆け寄って来た。



｢大丈夫かボウズ？ 悪いな、助けに行けなくて。

…思ったより怪我ひどいな。あの野郎何発打ったんだ｣


｢怪我は大丈夫だよ。それよりこのままだと…｣


｢あぁ。このまま行けば明石海峡大橋にぶつかりそうだ。何か一発逆転できる手は…｣



何かないのか…一発逆転できる手は…ッ

俯いた時、飛行船の中へ入る時の扉に気付いた。



＿！！



｢……あったよ。成功するかは分からないけどね｣



俺はそっと松田刑事に考えた作戦を耳打ちした。
ふっ...と声を零した松田刑事は頷き



｢なるほどな。本当、怖いガキだ｣



と頭を撫でた。

……あれ、これ松田刑事？




その時


＿キィンッ


独特な金属音に振り向けば、右手を抑えながら銃を持つ藤岡の姿。



｢...儲けを台無しにしたお前も、サツも、今ここで撃ち殺してやる｣



藤岡の瞳は殺意で満ちていた。
しかし、怪我を負った藤岡は動きが鈍くなっている。


よし、今のうちに早く作戦を実行しねーと。


俺は精一杯の子供らしい声で、後ろの夜景を指さした。



｢わー！ポートタワーが見える！六甲の碇マークも！すごいすごい！｣


｢そうやって気を逸らして俺の頭を橋桁に引っ掛けようってか？｣



＿＿かかった



｢そんな幼稚な手に乗るか｣



藤岡は後ろを向き、身を屈めた。


その瞬間、ボール射出ベルトを外し扉の取っ手に通した。スイッチを押せば、サッカーボールはみるみる大きく膨らんでいく。


膨らんだボールは橋に引っかかり、大きな衝撃が飛行船を伝った。藤岡はバランスを崩し、拳銃は下へと落ちて行く。


｢おいボウズ！大丈夫か！｣


俺の隣へ並んだ松田刑事。


｢ベルトのスイッチが...っ｣


ここまで膨らんだボールを外すためにスイッチを押したいのだが、中々見つからない。

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