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「ホワイトメイズ」という名前の通り、この迷路は床も壁も何もかもが真っ白で、どこが正しい道なのか、どこが行き止まりなのか判別がなかなかつかない。
私がゴールやバワリーのことも忘れて茫然としていると、不意に足がふわりと動き始めた。
「えっ…？！」
まるで操られているかのように歩みを進める足におびえていたが、行き止まりの前に来るとその足はぴたりと止まった。
自分の足であることを確かめるように足に触れると違和感を覚える。
左の足首に金属でできたようなリングが取り付けられているのだ。
「こんなのあったっけ…？」
不思議に思いながら左足を上げたり、その場でくるりと回ってみると、どこかから短く驚く声が聞こえてきた。
「えぇっ！？」
誰かいるのだろうか。
離れた場所から響いてきた声に意識を傾けつつ、今度は右足を浮かせようとすれば反対に床から引っ張られるように重く、持ち上がらない。
まるで、私の意志で動くことに対して、誰かの意志によって抵抗されているようだ。
「…だ、誰か、いますか…？」
口から出た言葉は自分が思っていたよりも弱弱しく、もう少し声を張り上げて呼びかけてみる。
「誰か…！いますかっ…！」
私の声は行き止まりの壁に反響し、わずかな静寂が流れる。
しかし、その時間は一瞬で返事と思われる声が返ってきた。
「誰かいるの？」
こちらを伺うよう放たれたその声は慎重さだけでなく、どことなく柔らかさもあり、その輪郭がぼんやりと思い浮かぶ。
「はい…！あのっ…」
「Aちゃん？」
先ほどよりも少し明るくなった声のトーンにはっとする。
「コヤマさん…！！」
私の呼びかけにそうだよ、と答えたその人は間違いなくコヤマさんだった。
さっきの両端から迫ってくる壁に、私たちは2人とも飲み込まれてしまったのだろう。
互いの無事を確認し合った後、コヤマさんが少し声を張り上げながら提案する。
「同じ迷路の中にいるなら、合流したいね」
「じゃあ……声がする方に向かってみましょうか！」
こっちだよ！とコヤマさんの声がする方に歩みを進めれば、さっきのような抵抗感はなく、むしろ磁石で引き寄せられているようにスムーズに足が進む。
「あ、壁だ…」
声を頼りに歩いていけば、通路を作り出している長い壁にぶつかる。
「あれ、こっちだと思ったんだけど…」
困ったようなその声は今までで一番近くから聞こえた。
「…っ！コヤマさん…！ここです、私、壁の向こう側にいます…！」
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Nono(プロフ) - soboroさん» soboroさん、コメントのお返事がとっても遅くなってしまい、ごめんなさい…！楽しみに待っていただき、そしてこのページに遊びに来てくださりありがとうございます！！ (2023年3月27日 21時) (
レス) id: b787eddcb9 (このIDを非表示/違反報告)
soboro - 更新ありがとうございます！密かに楽しみに待ってたのでとっても嬉しいです！ (2022年11月15日 0時) (レス) @page26 id: fea91e615b (このIDを非表示/違反報告)
Nono(プロフ) - momoさん» momoさん、コメントありがとうございます…！確か、以前にもコメントをいただいたかと思うのですが、長い間待っていただいて本当にありがとうございます！改めて楽しんでいただけるように頑張ります！よろしくお願いいたします！！ (2022年9月19日 19時) (レス) id: 2d0e74762d (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - ずっとお話の更新待ってました、！めっちゃ嬉しいです！ 無理のない程度に頑張ってください！本当に更新ありがとううございます！！ このシリーズのお話ホントに大好きです！ (2022年9月18日 23時) (レス) @page18 id: 6dd93aac59 (このIDを非表示/違反報告)
Nono(プロフ) - 紗奈さん» 紗奈さん、こんにちは！コメントありがとうございます！過去作品も楽しんでいただけてとても嬉しいです…！！今作も楽しんでいただけるように、頑張りますね…！！ぜひまた遊びにきてくださいね！ (2020年12月13日 18時) (レス) id: 250d3608a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nono | 作成日時：2020年10月29日 23時
