2 ページ2
心当たりはないけれど、よく耳にするそのフレーズに飲みかけた水が唇の端から溢れる。
私は手で口元を拭いながら、端末に駆け寄る。
慌てて開いたメッセージは何やら仕掛けが施されていて、さらに私を驚かせた。
タップすると、パーン！っと、まるでびっくり箱のように3Dグラフィックのメッセージが開く。
一番上には、A様、と私の名前が。
どうやら間違いではないらしい。
「『プロダクト 発表会』への特別ご招待……？」
そんな見出しの後には日時と場所が記されている。
そして、この発表会には選ばれたメンバーのみが招待されている、という説明が添えられていた。
何度も読み返すが、突飛な内容にいたずらなんじゃないかという考えが拭いきれない。
しかし、文末にはネオ・エレクトロニック・ワンダー・ステイト社の地球を模したホログラムロゴがきらきらと光っていて、公式の文章であると示されている。
「どうして、私なんかに…？」
ネオ・エレクトロニック・ワンダー・ステイト社といえば、デジタル系では世界最大手の企業で、“電子なしの社会なし”と言われるようなこの時代においては、もはや政府や国を凌駕する存在とも言える。
計算機器やライフラインを司る機器から、ゲーム機やVRなどの娯楽的なプロダクトまで幅広く展開し、世界に存在するほとんど全ての最先端の技術はここから生まれると言っても過言ではない。
もちろん私が使っている端末やバーチャルアシスタント、その他ほとんどの生活に関する機器がネオ・エレクトロニック・ワンダー・ステイト社製のものだ。
――とある一室で細々と作品作りをしている私とは比較にならないほど大きな存在。
そんな大企業が、わざわざ私を…例え、何百万人分の1の招待客だとしても、新作発表会に招待される理由が思い当たらない。
だけど、画面にははっきりと招待状が映っている。
そのギャップに困惑しながらも、非日常的な香りに惹かれている自分がいる。
無味乾燥的な日々が変わるかもしれない。
きっとランダムな抽選か何かで、偶然手にした機会だ。
私は気づけば、発表会への出席の意思を示すサインを記入していた。
サインを送信しすると、フラッシュのように文字列が一瞬表示された。
《WORLDISTA CUP LOG IN》
この時はまだ、この文字列を気にも留めていなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Nono(プロフ) - soboroさん» soboroさん、コメントのお返事がとっても遅くなってしまい、ごめんなさい…！楽しみに待っていただき、そしてこのページに遊びに来てくださりありがとうございます！！ (2023年3月27日 21時) (
レス) id: b787eddcb9 (このIDを非表示/違反報告)
soboro - 更新ありがとうございます！密かに楽しみに待ってたのでとっても嬉しいです！ (2022年11月15日 0時) (レス) @page26 id: fea91e615b (このIDを非表示/違反報告)
Nono(プロフ) - momoさん» momoさん、コメントありがとうございます…！確か、以前にもコメントをいただいたかと思うのですが、長い間待っていただいて本当にありがとうございます！改めて楽しんでいただけるように頑張ります！よろしくお願いいたします！！ (2022年9月19日 19時) (レス) id: 2d0e74762d (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - ずっとお話の更新待ってました、！めっちゃ嬉しいです！ 無理のない程度に頑張ってください！本当に更新ありがとううございます！！ このシリーズのお話ホントに大好きです！ (2022年9月18日 23時) (レス) @page18 id: 6dd93aac59 (このIDを非表示/違反報告)
Nono(プロフ) - 紗奈さん» 紗奈さん、こんにちは！コメントありがとうございます！過去作品も楽しんでいただけてとても嬉しいです…！！今作も楽しんでいただけるように、頑張りますね…！！ぜひまた遊びにきてくださいね！ (2020年12月13日 18時) (レス) id: 250d3608a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Nono | 作成日時：2020年10月29日 23時
