六色 ページ7
〜???side〜
…乱藤四郎は、俺の弟の一人だ
兄弟の中でも目立つ綺麗な金髪に青空のように透き通った青い瞳
服は乱だけ特別にスカートで、ひらりと回れば髪とスカートが揺れて女性も顔負けなぐらい綺麗な、俺の自慢の弟
俺の本丸の主は所謂難民とやらで、何故か乱だけが一向に来なかった。ドロップでも鍛刀でも来ない
霊力の相性が悪いらしく、他の刀剣は一通り揃っていても乱だけが来ない
おかげで粟田口の皆は常に苛立っているし、演練に行ったときなんて他の本丸の乱を見つけては唇を強く噛み締めて嫉妬さえする
でも、こんな形で会いたくはなかったなぁ
厚樫山に出陣していた第二部隊の石切丸に抱えられた乱は血だらけで、顔は真っ青で息は細く四肢はだらんと垂れ下がっている
主が慌てて手入れ部屋に連れていき、俺達はそれを見るしかできなかった
乱が手入れ部屋で一通り手入れされて眠っているとき、全員が本丸に集められた
「…あの乱藤四郎は、ブラック本丸出身だと思う」
ブラック本丸。刀剣男士を不当、不敬に扱う本丸のことだ
服のあいだから戦場では付かないような不自然な痕、火傷、切り傷、鬱血痕…そしてなによりの証拠が
「あの子の目に、呪いがかかってた。目が見えない訳じゃないけど、随分長い間かかってるみたいで…直るか分からない」
刀よりも重く鋭利な鈍器で殴られたみたいな衝撃が走った
短刀や脇差、打刀は鍛刀でもドロップでも多く権限する。だから、被害にあう子が多い
他の粟田口、刀剣男士も酷く衝撃を受けていて、殺気や憎悪、困惑が広がっていた
取り敢えず、乱が起きるまで待つことになった
主に許可を取って乱の様子を見に行くと、手入れ部屋はもぬけの殻だった
本体も置いて、何処に行ったんだろうか
庭の土に、ほんの少し足跡があった
それを辿っていくと、乱は本丸自慢の桜の大樹の下で蹲っていた
なにか、どこか様子がおかしい
「みだれ…?」
そう、つい声をかけてしまった。主から刺激を与えないようにと言われていたけど、今にも乱が消えてしまいそうで怖くて
『あ、はは……はは、は…』
俺の方を振り替えった乱の瞳が虚ろで何も写っていなくて、くすんでいた
不味い、堕ちる。そう脳内に警告音が響いて、乱の首に手刀をいれて気絶させた
またぐったりとしても、大切そうに抱えた巾着袋を離そうとはしない
中を、少しだけ覗いた。そこには、沢山の刀の欠片があった
にいさん
そう小さく呟いた言葉は、誰に向けたものだろう
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すずめねこ(プロフ) - ありがとうございます〜! (2020年9月4日 22時) (レス) id: 2c248db6f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 面白かったです!続き楽しみにしてます! (2020年9月3日 19時) (レス) id: af730a2065 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー大好き!!(プロフ) - 続きがとても気になります。更新楽しみにしてます。頑張ってください!! (2020年8月9日 20時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
すずめねこ(プロフ) - コメントありがとうございます!そう言っていただいて恐縮です…。遅くなるとは思いますが、頑張って更新したいと思います。何卒よろしくお願いしますm(._.)m (2020年6月22日 21時) (レス) id: 2c248db6f8 (このIDを非表示/違反報告)
緋真 - 初コメ失礼します。続きが気になります!更新頑張ってください!! (2020年6月22日 11時) (レス) id: 4e6eadfb12 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2020年6月19日 20時