十二色 ページ14
ずっと守られてばかりだったから。
僕を庇って、僕を突き放して、僕を哀れんで、僕を助けて、僕のせいで、折れた人達の数は数えきれない
皆の屍の上で成り立つほど、成り立っていいほどの奴でもない、そんな価値もない、何も出来ないのに。
意気地無し。泣き虫。弱虫。異常。無価値。無意味。底辺。塵屑。溝鼠。能無し。役立たず。糞。気持ち悪い。
そう言ってくれたら、もう、何もかも捨てて逃げられたのに。絶望できたのに。皆は、それを許してくれない
これが僕の罰なんだ。色んな人を不幸にして、傷つけて、巻き込んだ、大罪者の僕への、罰なんだ
少し無駄な話もしてしまったけれど、一通りは話し終わったかな。
少し俯いていた顔をあげると、審神者の人も他の刀剣男士も号泣や憤怒、苦虫を噛み潰したような顔をしていて、少し怖かった
そんなに不快だったのかな。あの話してほしいっていうのは建前で、本当は辞めろってことだったのかな…
顔から血の気がサアッと引いていく。どうしよう、どうしよう、無礼を働いた。打たれる?折れる寸前まで単騎出陣?折檻?拷問?殺し合い?
どうしよう、どうしよう、このからだは、今は僕が喋っているとは言え、器にはこの子の魂が入り込んでる。長い間、ずっと"僕"でいられる訳じゃない
この子に怖い思いなんてさせたくない。この子にまで壊れてほしくない。
だから、もし酷いことをされるものなら、腕でも足でも捨てて逃げるつもり。罰を受けるのは僕だけで、充分なんだ
拳を握りしめて、震える体を何とか抑えながら言葉を待った
「この度は我が同胞が、無礼と不敬を働き、挙げ句乱藤四郎様のお心と体を追い込み、誠に申し訳ございません!!!」
女の人が、床に額を強く押し付けて、涙ながらにそう謝罪した
…この人は、綺麗な人なんだな。今まで見たこともないぐらい、澄んだ心と透き通った霊力をしてるから
いつの日だっけ。似た人が、いたような気がする
でも、段々穢れと瘴気が渦を巻いて、じわりじわりと蝕んで、全部が壊れていくんだ。幸せを壊すのも、崩すのも、消すのも、全部全部
「謝らないでください、審神者さん」
僕だというのに
「貴方様が謝る必要は何処にもありません。頭をあげてください。他の刀剣様方に示しがつきません」
何故謝るのだろう。何も悪くないのに。何もしていないのに。
人はこれを偽善と呼ぶのかな
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すずめねこ(プロフ) - ありがとうございます〜! (2020年9月4日 22時) (
レス) id: 2c248db6f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 面白かったです！続き楽しみにしてます！ (2020年9月3日 19時) (レス) id: af730a2065 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー大好き！！(プロフ) - 続きがとても気になります。更新楽しみにしてます。頑張ってください！！ (2020年8月9日 20時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
すずめねこ(プロフ) - コメントありがとうございます!そう言っていただいて恐縮です…。遅くなるとは思いますが、頑張って更新したいと思います。何卒よろしくお願いしますm(._.)m (2020年6月22日 21時) (レス) id: 2c248db6f8 (このIDを非表示/違反報告)
緋真 - 初コメ失礼します。続きが気になります！更新頑張ってください!! (2020年6月22日 11時) (レス) id: 4e6eadfb12 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2020年6月19日 20時
