記憶を失った鬼姫＊3rd＊

story.94 ページ8

エンマside





Aの妖気を辿って来てみれば、彼女のすぐ後ろに迫ってきている男子高校生が目に入る





あの様子じゃ気づいてないな。





俺は一瞬でその間に入り込むと片手でAを抱き寄せ、もう片方の手で少年の攻撃を防ぐ





すると、彼女は驚いて俺に泣きついてきた





すっげぇ可愛かったぁぁぁ…←




まじ天使、俺の彼女。






ほかのけがを負った少女達の治癒も任せれば、


その作業はとても丁寧で、的確で、しかも早かった。



変わんねえな、やっぱり敵わない。




俺は暴れていた少年を気絶させ、治癒が済んだ少女達をそれぞれの家へ送った





そして振り向いて、ふらついていたAを支える



顔色が悪いな…。




本人は平気を装っているが、辛そうだ。




まだ妖力が不安定な状態で無理をさせてしまうとは。




ズキリと胸が痛んだ





Aの頭を撫でれば、嬉しそうに頬を赤く染めていていた




前はこんなことをすれば、子ども扱いするなと怒られたな。




そんなことを思い出して、俺は目を細めた





そういえば、カイラ方は終わったのか？




上を見上げてふと思う





しかし、一度回収した魂が逃げ出すとは…よっぽどこの世に未練があったのだろうな。





一つは学校の下校中、殺された少女の魂。


もう一つは妹である彼女と再会することなく自ら命を絶った兄。




まだまだ二人とも若い…、やりたいこともきっとあっただろう。






そう思うといたたまれない。







せめて、最後に合わせてやりたい。





今まで、数々の妖怪の不祥事を解決してきた妖怪探偵団。



確かに頼りになるのだが、今回の案件はあまりにも彼らには危険すぎる。





そう判断してこれ以上の被害を抑えるために、嫌々言うカイラを連れて俺たちは動いた

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