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story.124 ページ38

エンマside




〜遡ること数分前〜




俺は汝華のいる場所に向かっている




そして、地下牢に続く階段を降りている最中のことだった



気になる言葉が聞こえてきて、それに反応した俺の耳がピクリと動く




Aとシンの会話だ。




耳が良すぎるのも困る



聞きたくもない話も聞こえてしまうだ






A"「彼も、もう私には会いたくないと思います。

嫌われたちゃったので…。

関係ないなんて、思ってもないのに…いつだって助けてくれたのは他の誰でもないエンマ君なのにっ!」"





彼女の声が俺の耳に届く



嬉しかった、特に最後に言ってくれた言葉が。



そんなふうに思われてるなんて、今まで考えもしなかった


俺は後ろを振り返ると寝室へと戻り、扉付近で彼らの聞き耳をたてること数分…




音を立てずに中へ入れば、シンと目が合った



シンに釣られて、Aもこちらを向いたので俺は思わず驚いてしまう



後ろへ引き返す前に、彼女は俺の元へ駆け寄ってくる



すると自然と目が合い、Aの目尻が赤く腫れていたのを俺は見逃さなかった





泣いていたのか…?



どうして…。




俺はそれを見た途端に胸が締め付けられ、気づけば彼女を抱き寄せていた







エンマ「もう苦しくないか?」




A「うん…平気よ。」




シン(二人の邪魔になるから、外へ出てよう。)





俺はAから離れると、ちゃんと彼女の目を見て口を開く




エンマ「さっきはあんな態度をとって悪かった。

怖かっただろう?」



A「ううん、そんなことないわ。それに、私の為を思ってわざとあんな言い方したんでしょ?


ナツメ達のこと、ありがとう。カイラさんが向かってくれたってきいたの。

それって実はエンマ君が頼んでたんでしょう?もっと早く言ってくれれば良かったのに…。」




と、私は頬を膨らませてエンマ君を睨む



エンマ「それは、そうなんだが…。お前が自分より他人のことを優先しようとするからっ…。

何だか、その…俺もヤケになって…」




彼が慌てふためきながら、言葉を繋ごうとするその姿が可愛くて私は笑ってしまう




A「そうよね。もっと、早く素直に貴方の言うことを聞かなかった私も悪いわ。

そうすれば、エンマ君を困らせることもなかったのにね。

その、私の方こそごめんなさい。あんなに酷いことばかり言って…。でも、あんなこと本当は思ってないの。」





と、私はバツが悪そうに目を伏せて彼の返事を待った

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桜柚季(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(≧∇≦)これからも更新頑張りますねっ!! (2020年7月22日 21時) (レス) id: ae92252d70 (このIDを非表示/違反報告)
- すごく感動しました!続きが楽しみです。応援してます! (2020年7月19日 12時) (レス) id: 3b9902adf1 (このIDを非表示/違反報告)
桜柚季(プロフ) - 水無月 リムさん» 長くなってすいません!水無月 リムさんもくれぐれもお気をつけください!コメントありがとうございました!! (2020年4月27日 8時) (レス) id: ae92252d70 (このIDを非表示/違反報告)
桜柚季(プロフ) - 水無月 リムさん» わあ、本当ですか!?ありがとうございます(><)嬉しい限りです!!よ、夜中一人で!?怖くないですか?そうですね。私も五月まで休校なので勉強についていけるか不安です。少しでも早くコロナが終息することを願うばかりです! (2020年4月27日 8時) (レス) id: ae92252d70 (このIDを非表示/違反報告)
水無月 リム - はじめまして あぁヤバイ目から水が溢れてる この話、感動シーン多くて、夜中一人で見てるのでもうもう…。 コロナが流行してますがお互い気を付けましょう!応援してます!! (2020年4月25日 1時) (レス) id: 7764573d87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜柚季 | 作成日時:2019年11月14日 7時

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